生き物・学び・研究センターブログ

2023年4月13日(木)(開園120周年記念)野生動物学のすすめ2023を開催しました(1日目その2)

2023年4月8日(土)と9日(日)に、「野生動物学のすすめ2023」を実施しました。1日目午前のプログラムはこちらのブログでご紹介しましたので、午後のプログラム3についてご報告します。

「生物多様性って何?」と題したこのセッションでは、4月に発足した「きょうと生物多様性センター」のセンター長を務めておられる湯本貴和先生に進行をお願いしました。湯本先生は、京都市生物多様性プラン(2021‐2030)を策定した京都市環境審議会西部多様性保全部会の部会長を務められている方です。

正面エントランスに掲示したプログラム3のポスター

「生物多様性って何?」を一緒に考えるパネリストとして、京都市環境政策局環境管理課の宮田さんと、京都府府民環境部自然環境保全課の木林さんに、午前中に続いて参加していただきました。また、認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンの理事を務めておられる、環境アーティストの池田泰子さんと、動物園生き物・学び・研究センター長の私もパネリストとして参加しました。

右から、湯本先生、木林さん、池田さん、宮田さん

冒頭、湯本先生から、今回のテーマである「生物多様性って何?」に込めた意味について、説明をいただき、4月に発足した「きょうと生物多様性センター」がどのように働いていくかについても簡単に説明していただきました。

また、各パネリストから、自己紹介に代えて、「私の『生物多様性』のイメージ」について、写真やイラストなどでその意味を説明してもらいました。聞けば聞くほど、生物多様性のイメージが人それぞれで多様なことがわかり、とらえどころが難しいものだということがわかりました。ともすれば概念的、抽象的な議論になってしまいがちなこのテーマを、身近な自然、京都の生物多様性に引き戻して、私たちが何をすべきかを、会場に参加してくれた方の意見も聞きながら考えていきました。

議論が途絶えることはなく、あっという間の2時間でした。結論は出ませんでしたが、参加者がそれぞれに「生物多様性」について考えてもらう機会になったのではないかと思います。


田中正之