生き物・学び・研究センターブログ

2022年12月21日(水)チンパンジー・ロジャーの今日の選択

ここ最近、たびたび選択を迫られているチンパンジー・ロジャー(4歳)。

今日は、兄ニイニが勉強しているところへ、やってきた。空いているモニターは2台。どうする?

ロジャーは、ニイニから離れた左のモニターで勉強を始めた。

左のモニターの問題は、1から6までの数字を順番に選ぶ問題。

最近、1から6までの問題を始めたばかりのロジャー。まだ難しい

できないので、真ん中のモニターへ移動。しかし、このモニターでは、1から15までのニイニ用の問題が出てきた。

どうするロジャー!?

やっぱりできない。

どうするロジャー?

もう一度、挑戦するロジャー。

でも、できない。(そりゃ、できないよねぇ。。。)

やっぱり、最初のモニターへ戻る。

1から6までの問題に挑戦するロジャー。

やっぱりできない。今度こそと、姿勢を変えて問題に向かうロジャー。

身体の向きが変わったところに注目。

やっと正解。ところが、、、

兄ニイニにごほうびのりんご片を横取りされるロジャー。大きくて力の強い兄には逆らえません。

せっかく正解したのに、そのごほうびは、ニイニが取ってしまいました。嫌になってか、ロジャーは勉強部屋を出ていってしまいました。

他の個体(とくに大人の男性)がいれば、ニイニの態度は変わるのですが、ロジャーとニイニの2人では、ロジャーは何もできません。

思えば、ニイニがまだロジャーくらい小さかったとき、タカシが今のニイニのようにふるまっていました(勉強をしようとするのを邪魔したり、せっかく正解して獲得したごほうびを横取りしたり。) 

チンパンジーの子どもなら、誰もが通る道なのかもしれません。社会の厳しさを学ぶロジャーでした。


田中正之