生き物・学び・研究センターブログ

2022年12月2日(金)チンパンジー・ロジャーの選択

チンパンジーの勉強部屋。
前回のブログと同じ日の話です。

ローラ(左)とロジャー(右)が勉強中です。

ロジャーは、画面に出された1から5までの数字を順番に触れていく問題に向かっています。

1から5までの問題なら、かなりよくできるようになりました。

やがて、問題に飽きたのか、となりのモニターに移りました。

右のモニターには、兄のニイニがやっていて、放り出した問題が出ています。1から15までの数字の順番を覚える問題。

1から5までしか知らないロジャーにできるはずがないのですが、問題を始めます。

でたらめにさわるのではなく、ちゃんと1からさわろうとしているロジャー。

もちろん、できません。

まちがえた順番でさわると、画面の数字が全部消えてしまいます。

それでも、ロジャーはまた問題に向かいます。

また、まちがえた。ロジャー、あきらめて元の場所に戻る。

1から5までだったら、ロジャーにもできます。

そしたら、また、できなかった問題に挑戦。

やっぱりまちがえて、元の場所へ。

そして、正解。

ロジャーは2つの問題の間の行ったり来たりを、しばらく続けました。

ロジャーはいったい何をしていたのでしょうか? ごほうびがほしいのなら、正解できる問題をやり続ければよいのに、そこからわざわざ、「できない問題」をしに行くのは何故なのでしょう?
問題の区別がついていない?
1から5までと、1から15までなので、さすがに違いがわからないとは思えません。
もし仮に区別がつかないとしても、1から15の問題が出ている右側のモニターではひとつも正解できないし、ひとつもごほうびがもらえないので、場所のちがいでも区別はできるはず。
ロジャーにとって、あえて右側のモニターに行きたい理由があるはずです。
それは何でしょうか? いっしょに考えてみてください。

この話はまだ続きがあるのですが、このブログではここまで。


田中正之