生き物・学び・研究センターブログ

2022年4月11日(月)「野生動物学のすすめ2022」を開催しました。(その1)

2022年4月9日,10日に「野生動物学のすすめ2022」を開催しました。
京都市と京都大学との「野生動物保全に関する研究と教育の連携協定」を結んだことを記念して始まった取り組みです。
2016年から,「きょうと☆いのちかがやく博物館」(4園館連携)の事業として一部のプログラムを始め,いろいろな形で行ってきました。昨年(2021年)から,このプログラムの最初の形(「ゾウさん,オットセイさんのウンチでバナナを育てる」(京都府立植物園))にして,参加者に4園館すべてのスタッフが関わるようにしています,
そして,今年はさらに輪を広げて,京都府立大学新自然史科学創生センター(外部サイトへのリンク)の福井先生や,ミクロライフ Project(外部サイトへのリンク)の早川さんにも協力してもらってプログラムを作りました。

今年は,「『わたしたちのすぐ近くにある自然』を発見するワークショップ」
として,以下の内容でおこないました。
1)動物園内で野生動物を探してみよう。(府立大・福井先生のご協力をいただきました)
2)園内の植物を調べてみよう(在来種と外来種を分類します)。
3)顕微鏡を使って水中生物の世界を見てみよう。(ミクロライフ Projectの早川さんにご協力いただきました)

4月9日朝。昨年に続いて天気に恵まれました。


毎年,「野生動物学のすすめ」にブース出展してくださる団体の皆さん。


さて,いよいよプログラム開始。最初に,このプログラム用のミニブックを制作してくださった,嵯峨美術大学の池田先生から,使い方の説明をしてもらいました。

そしていよいよみんなで野生の生き物探しに園内に出ます。
まず噴水池で野生のアオサギを発見。また,琵琶湖疏水ではオオバンやカワウなどを観察しました。調査で野鳥の観察をされている福井先生からポイントポイントで解説をしていただきました。


「京都の森」では,棚田周辺の植物を採取して,在来種と外来種に分類しました。ふだん何気なく見過ごしている植物にも名前があり,しかもそのうちのかなりの種類が外国から持ち込まれたものだったことを植物園の方に教えていただきました。

「京都の森」の池で採取した水をレクチャールームで顕微鏡を使って観察します。プランクトンネットを使って子どもたちが池の水を採取。理科の先生である科学センターの方に「ミクロの世界」を解説してもらいました。また,ミクロライフ Projectの早川さんには,スマホを顕微鏡のように使う方法を教えてもらって,それぞれのスマホ顕微鏡でミクロの世界をのぞいて見る体験をしました。



顕微鏡にカメラをつないでスクリーンに拡大投影しました。
その手前では,各机でスマホ顕微鏡の体験中。

今回のプログラムをきっかけに,動物園や植物園,水族館だけでなく,身近な自然には多様な生き物がいることを再発見してもらって,お家に帰ってからも観察をしてみてもらえるとうれしいです。


田中正之