生き物・学び・研究センターブログ

2022年3月19日(土)ゲンタロウとニイニ

ゴリラのゲンタロウと,チンパンジーのニイニは,年齢はニイニが1歳下ですが,どちらもそれぞれの群れの中で,いちばん学習の早い個体です。

ゴリラのゲンタロウ(10歳)

チンパンジーのニイニ(9歳)

数字の順番を覚える勉強は,ゲンタロウがリードしていたのですが,ニイニが2月に1から14までの成績で合格点に達したので,ゲンタロウに追いつきました。今では,2人とも1から15まで,15個の数字を順番に触っていく勉強をしています。

ちなみに,勉強に使っている画面は,15インチのタッチモニターで,15個の数字がこんな風に提示されます。数字の提示位置は毎回ランダムに変わります。

3月15日の時点で,ゲンタロウもニイニも,正解率は50%~60%といったところです。
ゲンタロウはしばらく成績が下がり,正解率が50%を下回ってしまい,それとともにやる気も落ちているように見えましたが,最近,調子を戻してきたみたいです。
ニイニの方は,15を加えてすぐのときには20%以下まで成績が落ちましたが,すぐに50%を超えるくらいまで戻してきました。

ここから合格基準の75%まで上げるのが大変なのですが,今のところ,2人とも問題を出せば出すだけやるくらい,やる気を見せています。

ちなみに,チンパンジーとゴリラ,全員の中でいちばん勉強が進んでいるのが,チンパンジーのタカシです。
タカシ(33歳)

ゲンタロウ,ニイニよりひとつ多い,1から16までの数字を順番にさわっていく問題をやっています。タカシが勉強を始めたのは2009年なので,ゲンタロウやニイニよりも4年以上早く始めています。学習のスピードで見ればずっとゆっくりですが,それでも今のところは2人をリードしています。 (ちなみに,タカシは数字を押すのもとてもゆっくりで,数字をひとつひとつ探しているのがよくわかるほどです。)

さて,ゲンタロウとニイニの2人は,いつタカシに追いつくでしょうか? 最近,タカシは1から16までの成績が上がってきて,もう少しで合格基準に届きそうなところまできています。タカシがまたひとつリードするかもしれません。

とは言うものの,当の3人はお互いに競い合う気持ちなんて全然ありません。周りで見ている人間が勝手にライバルみたいに見ているだけなんですね。それぞれ,楽しみながら参加してくれるのが何よりです。


田中正之