生き物・学び・研究センターブログ
2022年3月14日(月)これもチンパンジーらしさ:タカシの場合
2月のある日,チンパンジーの勉強部屋。
このとき,誰も勉強していません。
3台ともモニターが空いているので,ロジャーが真ん中のモニターに近寄っていったところ。
タカシがロジャーを追いかけます。
残念,ロジャーは勉強を始められませんでした。
今度はローラが空いているモニターに向かって勉強を始めようとしています。
ローラ,正解! でも「おや? タカシの手が伸びています」
せっかくローラが正解したごほうびを,タカシが横取りしてしまったのです。
ジェームスに何か言いたげなローラ。
また問題に戻ったローラ。正解! でもやっぱりタカシが横取りして,ローラは何も食べられません。
さっきより強く,ジェームスに何かを訴えているようなローラ。
でも,ジェームスは「われ関せず」とばかりに知らん顔です。
その後も,ローラは勉強を続けましたが,ほとんどをタカシに横取りされてしまいました。
タカシはジェームスには遠慮して強くは出ませんが,ローラやロジャーに対してはえらそうにします。
強い者に対しては低姿勢,弱い者には横暴な態度。
ひどい話に思えますが,これがチンパンジーらしさですし,チンパンジーの社会で生きていく術なのです。
静止画ではよくわからないと思いますので,この場面の動画をYouTubeの京都市動物園チャンネルで見られるようにしました。よかったら合わせてご覧ください。
「これもチンパンジーらしさ:タカシの場合」
田中正之