生き物・学び・研究センターブログ

2022年1月14日(金)チンパンジーと映像の森~成果発表会のお知らせ~

2018年度からKYOTO STEAM -世界文化交流祭-の一環として行ってきた,アートとサイエンスの協働プロジェクトも今年度で終了です。
2019年度からは,様々なアーティストさんたちや技術者の方々と,チンパンジーの環境エンリッチメントを開発するということに取り組んできました。
動物福祉の観点から現在の飼育環境の中でどこに課題があって,テクノロジーやアートがどのように貢献できるのか…
それぞれの前提知識も考え方も異なるメンバーなので,時にお互いの意見を伝えることに苦労しながらも,だからこそ今までにないシステムができあがったと思います。

2021年12月に最終試行を終えました。その時は,チンパンジーの動きに合わせて変化する映像を設置しました。チンパンジーの動きをガラスの外側にあるセンサーを用いて検知してそれを映像に反映させます。すると,ロジャーを中心に遊ぶところが見られました。なお,センサーなどはチンパンジーの運動場の外側で制御できるため,管理しやすくチンパンジーにとっても危なくありません。

ブイの動きをセンサーが検知すると映像が変わります。ロジャーがブイを振り回しているところです。
大きくなってきたニイニはロジャーのように激しくは遊びませんが,ちゃんと確認に来ました。
チンパンジーの動きによって,来園者通路の映像も少し変わります。野生チンパンジーに囲まれている場面です。

いつもと趣向が違うプロジェクトから何が生まれたのか…その成果について共有するイベントを2月5日に行います

いつも動物のことばかり考えているわたしですが,思ほえずアートについても考えることになり,その中でチンパンジーの新たな側面を見たり,様々な可能性を感じたりしました。
チンパンジーのこともまだまだ知らないことだらけだなあと改めて思います。

もしご興味のある方がおられましたら,ぜひご参加ください!
チンパンジー・環境エンリッチメント・アート・テクノロジー・サイエンス・動物福祉・異分野融合などなど色々なキーワードがひっかかるものだと思います。

山梨 裕美