生き物・学び・研究センターブログ
2021年10月11日(月)テナガザルとマンドリル
5月に書いたブログでもお知らせしていますが,休園日にのみ,
テナガザルとマンドリルの「お勉強」を行っています。
5月1日 (土)「テナガザルのお勉強について」
4月28日 (水)「テナガザルのお勉強」
次の日から再開園という,9月30日,休園期間中最後の「お勉強」を行いました。
左のノートパソコンの画面と同じ画面が,テナガザルが面しているタッチモニターに出ています。
画面の〇をさわると,数字がモニター上に出てきます。
数字を1から順番にさわっていくと,正しい順番の数字は画面からどんどん消えていき,すべての数字が消えると,「せいかい」と表示され,リンゴ片を1個もらえます。
さて,テナガザルの勉強には,もうひとつのルールがあって,「ふー,ふー,・・・」という音声を連続して5回発しても,ごほうびをもらえます。
いつもは,問題にまちがえたとき,ごほうびがほしいシロマティーは,「ふー,ふー,・・・」と鳴きだすのですが,この日は,ごほうびをもらっても,何度も連続して鳴いて,ごほうびを得ていました。
画面に〇が出ていても,さわってくれずに,鳴き続ける。
静止画ではわかりませんね。
YouTubeの京都市動物園チャンネルに,このときの映像を動画でアップしました。
シロテテナガザル シロマティーの「お勉強」 鳴きっぱなしのシロマティーをご覧ください。
さて,こちらはマンドリル。
ベンケイも,長く「お勉強」に参加してくれていたのですが,感染防止対策で「お勉強」を休止する期間が長くなり,久しぶりにタッチモニターを見せても,以前のような反応が出なくなりました。
まるで,何をしたらよいかわからないように,タッチモニターの前で座っているだけ。
子どもたちや,メスのオネさんが周りに集まってくるのに対して,威嚇はするのですが,自分が問題をしようとはしません。
モニターの枠を左手でつかんで引き寄せ(これだと,画面にさわることができません),
右手でディアマンテを攻撃するベンケイ。
わかりにくいですが,格子越しに画面に歯をたてようとしているベンケイ。
もはや,画面に出ている問題をやろうという気はなさそうです。
長いブランクがあっても,なんにも変わらなかったテナガザルのシロマティーとは対照的に,
マンドリルのベンケイは学習した行動が薄れてしまったようです。
元々,テレビゲームのように楽しみながら,ごほうびも得られる時間になればと思って,続けてきましたが,
もう,ベンケイにとっては,ただイライラを募らせる時間になってしまっているようです。でも,場所を他の個体に譲ってくれるような寛容さは持ち合わせていないベンケイです。周りにいる個体にとっても,楽しくない時間が続くばかりになってしまいます。
とっても残念ですが,マンドリルでの「お勉強」は終了にせざるをえないようです。
※10月1日から開園しましたので,テナガザルの方もしばらくはお休みになります。
田中正之