生き物・学び・研究センターブログ

2021年3月7日(日)チンパンジーの勉強部屋:タカシの話

チンパンジーの勉強部屋です。
最近,ニイニ,ジェームス,タカシの3人が場所を占めている日が多くなっています。


その中のひとり,タカシの話です。
タカシは1988年4月生まれ。来月33歳になります。

チンパンジーの33歳は,まだ年寄りという歳ではありませんが,中年のオジサンと言っていい年です。

タカシは,京都市動物園の6人のチンパンジーの中で,コイコと並んで一番はじめから「お勉強」に参加してきました。2009年に1,2のふたつの数字で始めた数字の順番を覚える勉強は,1から15までに増えました。


これは,ゴリラたちも含めた京都市動物園で「お勉強」に参加するすべての個体の中でいちばんの成績です。
※ゲンタロウも1から15までの勉強をしていましたが,最近調子を落としてしまったので,ひとつ数字を減らして勉強しなおしているところです。

そんなタカシですが,ここ最近,ものすごくやる気がでていて,それにともなって成績も上昇。ついに1から15までの順番も覚えてしまいました。


いよいよ16も加えて,16個の数字の問題に挑戦です。

またしばらく苦労するでしょうけど,まだまだ衰える歳ではないので,期待しています。
ちなみに,タカシが1から14までの順番を覚えて,15個の数字の勉強を始めたのは昨年の4月でした。一年かからずに覚えてしまったことになります。
その前,1から14までの順番を覚えるのには,3年2か月かかりました。
1から13までの順番は,ちょうど2年でした。
さて,1から16は,どれくらいで覚えられるでしょうか。

ちなみに,ニイニも8歳になって,勉強に集中するようになり,どんどん数字を増やしています。1から13までの順番をわずか2か月で覚えて,今は1から14までの勉強中。

でもやる気がありすぎて,後ろで母親のコイコが席が空くのを待ってるのに,いっさい気にしません。コイコはずっと待ちぼうけで,つまらなそうです。

コイコ,ローラ,ロジャーの3人にも,少しは勉強するチャンスを作ろうと,いろいろ画策中です。


田中正之