生き物・学び・研究センターブログ

2020年8月12日(水)「夏休み生きもの相談会」を開催しました。


京都市動物園,京都府立植物園,京都水族館及び京都市青少年科学センターは,かけがえのない自然環境の次世代への継承を目的として,一年を通して様々な交流連携事業を展開しています。

8月8日(土)には,夏休みの自由研究のための「夏休みいきもの相談会」を開催しました。
この企画の案内ページはこちら >「夏休みいきもの相談会」の開催について

過去2年間は,同志社大学サイエンスコミュニケータ養成副専攻に学ぶ学生たちの力を借りて,骨格や毛皮などの動物標本の展示と説明コーナーを作って,動物園に来ていただいた方に動物の体のひみつについて知ってもらうイベントも同時に行ってきました。
過去2年の様子はこちらのページへ:
2019年8月12日 (月)
きょうと☆いのちかがやく博物館連携事業「夏休み生きもの相談会」
2018年8月13日 (月)
きょうと☆いのちかがやく博物館連携事業「夏休み生きもの相談会」

今年は新型コロナウィルスの感染防止のため,たくさんの人の集まる企画はお休みとし,部屋に入る人数をコントロールするために,事前申し込み制として,行いました。また,ZOOM等を使ったオンラインでの相談も受け付けました。

毎年,動物の標本を展示していると,物珍しさで多くの人が集まってくれましたが,今年は自由研究の相談会だけ。それでも,6組の子どもたちやそのご家族が申し込んでくれました。
そして,「新しい生活スタイル」に合わせて今年から導入したオンライン相談にも,1組,相談がありました。

相談会だけだったので,一組一組,じっくり時間を取ってお答えすることができました。この日は,こんな相談がありました。

Q1.動物はどうやって連れてくるの(とくにペンギン)?(小1)
A2.(この子は,野生の動物を捕まえて動物園に連れてくると思っていたそうです。)今では,動物園の動物はほとんど飼育下(ほとんどが動物園)生まれなので,国内の動物園から車で運ばれてくることが多いのですよと教えてあげると,とても驚いたそうです。

Q2.動物の行動観察の方法を知りたい。(中1)
A2.ゴリラのゲンタロウとキンタロウの兄弟,チンパンジーのニイニとロジャーの兄弟を見て,人間の兄弟と比べてみたいと思ったそうです。ちょうど博物館学芸員実習でアカゲザルの行動観察をしている大学生のお兄さん,お姉さんが,その経験からアドバイスをしてもらいました。

Q3.オオサンショウウオについて,クラスのみんなに感心をもってもらうには何を調べたらよいか。(小3)
A3.オオサンショウウオの小さな目とかわいらしい手が好き,という女の子がオンラインで相談してくれました。すでに本を読んで,住んでいる場所や特別天然記念物であることなど,しっかり調べてくれての相談。
京都の鴨川で起こっているチュウゴクオオサンショウウオとの交雑問題など,都市に住む人間にも身近な問題があることを取り上げてはどうだろう? また環境さえよければ,人間と変わらないくらい長生きする動物だということなども教えてあげたらよいのでは?とアドバイスしました。

以上,3件は事前に申し込みのあった子どもたちでしたが,当日,相談会のポスターを見て,来てくれた子どもたちもいました。
・フラミンゴの声を聴いて驚いた。なんであんな声がでるの?
・ゾウの鼻はなぜ長い?
・動物に尻尾があるのはなぜ?
といった,身体の構造や進化に関する質問など,易しく説明しようとして言葉に迷う質問もありました。

来年はどのような状況になっているかわかりませんが,「相談会」はおこなう予定ですので,ご参加ください。


田中正之