生き物・学び・研究センターブログ

2020年7月15日(水)キリンの歯

昨日7月14日(火)に動物園と小学校をつなぎ,オンライン授業を行いました。
そこで「キリンの歯は何本ですか?」という質問をいただいたのでお答えします*

このホネは1980ねん~1994ねんまで京都市動物園(きょうとしどうぶつえん)でくらしていた貴船(きぶね)というメスのキリンです。
貴船(きぶね)は京都市動物園うまれで,オスの東山(ひがしやま)とのあいだに7頭(とう)のこどもたちをうんだおかあさんキリンです。
さて,くちのなかをみてみましょう。

まずは下あごから。
前歯(まえば)をみてみると,右も左もそれぞれに切歯(せっし)が3ぼん,犬歯(けんし)が1ぽんあります。
でも犬歯(まえからかぞえて4ばん目の歯)がとがっておらず,切歯とおなじようなひらたいかたちをしているので,犬歯がないようにみえますね。
奥歯(おくば)は前臼歯(ぜんきゅうし)が3ぼんと後臼歯(こうきゅうし)が3ぼんあります。
※写真(しゃしん)では,切歯が1ぽんぬけています;また,生きているキリンはこんなにおおきくくちをひらくことはできません。

つづいて上のあご。
上の奥歯(おくば)も前臼歯が3ぼん,後臼歯が3ぼんあります。
この歯(は)で葉(は)や草(くさ)をよくよくすりつぶしながらたべています。
歯がはえかわるときには,こんなおとしものも・・・→しいくいんブログ「これは何?」

そしてさいごに上の前歯・・・はありません・・・!
ここには歯床板(ししょうばん)とよばれる歯ぐきがあります。
キリンはながい舌(した)を木の枝(えだ)にからめてくちのなかにひっぱりこみ,下の切歯を包丁(ほうちょう)のように,上の歯ぐきをまないたのようにつかって枝や葉をきります。
こうしてきりとった枝葉をくちの奥のほうへはこび,臼歯でよくかむのですね。

つまり・・・キリンの歯は右も左もそれぞれ下の切歯が3ぼん,犬歯が1ぽん,下の前臼歯が3ぼん,後臼歯が3ぼん,上の前臼歯が3ぼん,後臼歯が3ぼんのぜんぶで32ほんの歯があります。


こちらはいま京都市動物園で暮らしているメスのミライが枝葉をたべているところ。
ミライもオスの清水(きよみず)とのあいだに6頭(とう)のこどもたちをうんだおかあさんキリンです。

また,キリンはさっきまでなにもたべていなかったのにとつぜんくちをモグモグしはじめることがあります!
それはおなかのなかのたべものをくちへもどしてなんどもかみなおしているからです。これを反芻(はんすう)といいます。
もしキリンがモグモグしているところにであったら,どんなくちのうごきをしているかみてみてくださいね。

生き物・学び・研究センター 瀬古