生き物・学び・研究センターブログ

2020年7月6日(月)京都の森の田んぼ(雑草の種類)

京都市動物園の京都の森にある田んぼのことをたびたびお知らせしています。
「京都の森で田植えをしました。」(2020年6月2日生き物・学び・研究センターブログ)
「京都の森の田んぼ(続報)」(2020年6月24日生き物・学び・研究センターブログ)
「京都の森の田んぼ(雑草との終わりなきたたかい)」(2020年7月1日生き物・学び・研究センターブログ)

7月6日(月)。今日は休園日。
草ひきに精を出さねばと思ったら,あいにくの全国的な雨。。。


せっかく先週から,京都精華大の活動が始まったのに,,,
せっかく今週から,別の学生グループが手伝いに来てくれることになっていたのに,,,
天気ばかりはままなりません。

さて,私たちが悩まされている田んぼの水草(雑草)

なんていう草だろうと思って調べてみたら,コナギという雑草でした。。

稲の生育にかなり悪い影響をあたえる「強害草」だそう。
ものすごく生長が早いので,土中の栄養を稲の分まで奪ってしまうようです。
通常は,代掻きのときに除草剤を入れて駆除するのだそうですが,京都の森は完全無農薬。
その代償として,この草とのたたかいが続くことになります。。。

もう一種類,ウキクサも田んぼに広がっています。

こちらは,水面にフタをして,雑草の生育を阻害させるよい効果があるとか。

でも化学薬品が一切使われていない分,京都の森は多様な生きものが暮らす空間になりました。
少し見回すだけで,ショウリョウバッタや,


トンボも各種。




これらだけでなく,京都の森では多様なトンボが見られます。
「動物園のトンボたち」(2020年7月2日生き物・学び・研究センターブログ)

京都市では「京(みやこ)の生きもの生息調査」への協力をお願いしています。

「京(みやこ)の生きもの生息調査~京都市動物園編~」(2020年7月2日 (木)生き物・学び・研究センターブログ)
よかったら,ご協力ください。(動物園だけでなく,皆さんの周りで調査していただいてもけっこうです)

雑草とのたたかいはこの夏ずっとつづきそうですが,抜いた後の雑草を処理してくれるのが,ダンゴムシなどの林床の生きもの。

ダンゴムシは抜いた雑草や枯草などを食べて,糞をします。ダンゴムシの糞はバクテリア(微生物)がさらに分解して,土に還り,それらは植物の栄養になるのです。

そうした,いのちのつながりを動物園で感じてくれたらうれしいです。


田中正之