生き物・学び・研究センターブログ

2020年5月21日(木)あれ? ロジャー,もうできちゃった!?

チンパンジーのちびっこロジャーが勉強を始めたことを以前にお知らせしました。

チンパンジーの兄弟(2020年4月23日 生き物センターブログ)
 
チンパンジー・ロジャーのお勉強(2020年5月13日 生き物センターブログ)

勉強を始めたばかりのロジャーの問題は,1と2,ふたつの数字の順番を覚えること。つまり,「問題ください」の意味の〇に触れた後,画面の1,2の数字を,順番通りさわることです。
数字の位置は毎回変わりますから,ロジャーは,2つの数字の形を覚えて,1から先にさわることを覚えなくてはいけません。


以前のブログでも,ロジャーが正解している写真を載せていたのですが,まだ始めたばかりですし,どれくらいできるかは,あまり気にしていませんでした。


さて,気がつくとロジャーの前の問題が終わっていた。

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あれ!? と思ってパソコンの画面を確認すると

もう出来てる!?

数字の順番を覚えたとして,次の数字を加えた勉強を始める規準は,連続する100問の中で正解が75問以上(正解率75%以上)。これが2回続くこととしています。
(連続する100問の中で,間隔はどれだけ空いてもかまいません。2日間の合計で100問になっても,もっと何日もにわたってもかまいません。)

ロジャーは勉強を始めたばかりで,しかも,しょっちゅうニイニや他の大人に場所を奪われたりするので,100問をひとつの単位とする集計が,まだほとんどできていませんでした。
だから,「意外とできてるな」とは思ってましたが,次の数字に行けるとは思ってませんでした。
今,データを調べているところですが,問題数をこなしてないので,もう少し1,2の問題をやってもらうことになると思います。

ちなみに,お兄さんのニイニが1,2の順番を覚えたのは,通算で600問をやったとき。
お母さんのコイコは1,000問,お父さんのジェームスは1,100問やってます。
子どものニイニの覚えが早かったのがわかります。

他の種で見てみると,マンドリルの子どものランマン(今は安佐動物公園で暮らしています)が700問。ロマン(徳山動物園で暮らしています)が600問で,ともにニイニに匹敵するくらい早く覚えました。

ゴリラのゲンタロウは意外に苦労していて,1,800問やりました。
そして,ゲンタロウと並んで一番たくさんの数字を覚えているチンパンジーのタカシも,1,2の順番を覚えるまで,2,500問もかかりました。

歳をとってから始めた個体は,だいたい覚えるまで苦労していて,
25歳で始めたテナガザルのシロマティは3,600問。
19歳で始めたマンドリルのオネは,5,000問。
28歳で始めたゴリラのゲンキは,5,400問もかかりました。

そう考えると,30歳をこえてから始めたチンパンジーのコイコはずいぶん早く覚えたんだなと思います。
そのコイコも,数字が増えるたびに,覚えるまでの問題数が伸び続けていて,
1から6までの順番を覚えるのに,10,100問。
1から7までの順番を覚えるのに,11,800問。
1から8までの順番を覚えるのに,16,200問を費やしています。

ちなみに,ニイニは,それぞれ800問,2,100問,3,300問で規準をクリアしているので,その差は歴然。

さて,問題ができるようになると,余裕が出てきて,無理な姿勢でやってみたくなるのも,子どもならでは。(手前の2人は,ジェームスとタカシのおじさんコンビ)


それでも正解する。


さて,お兄さんのニイニがたどった道を思い出すと,このまままっすぐ伸びていくとは思えず,あそびながら,たまに勉強して,それでも気がついたら伸びている,なんて進み方をすると思います。
まあ,あんまり期待はしすぎずに,長い目で見てあげてください。


田中正之