生き物・学び・研究センターブログ

2020年3月17日(火)チンパンジーとインタラクティブアート

類人猿舎の来園者通路が様変わりしています。

こちら,KYOTO STEAMというアート×サイエンス・テクノロジーをテーマとした文化・芸術の祭典のプロジェクトの一部で行われています。

(KYOTO STEAMに関しては詳しくはこちら→https://kyoto-steam.com/)

 

昨年度はチンパンジーとヒトの映像作品の鑑賞の仕方の違いについて,アイトラッキングの手法を用いて調べました。

 

今年度は,さらにパワーアップ…好奇心旺盛なチンパンジーたちの暮らしに新しい変化をもたらすことができないかと,インタラクティブアートに挑戦することにしました。

屋内展示場にセンサーを仕込み,チンパンジーがセンサーのある壁の近くを通過したり,センサーを仕込んだブイ動かしたりすることで,映像に変化がもたらされます。

ニイニが持っているこのブイの中にもセンサーが仕込まれています。

 

アーティストの人長果月さんが,チンパンジーのためにとっても素敵な映像作品を作ってくださいました(完成品は321日からの公開日までのお楽しみです)。

来園者通路にも,ブイがついていてお越しいただいた来園者の皆さんにも映像を変化させていただけます。

本日より企画に関する広報用動画が公開されています。→https://kyoto-steam.com/news/1956/

 

夏頃に方針を決めてから,アーティストさんや技術の専門家の皆さん,アートコーディネーター,研究者,動物園スタッフで知恵を絞ってセンサーを仕込んだり,映像の内容などを話し合ってきました。

チンパンジーは器用で力が強いので,センサーひとつ仕込むにもなかなか大がかりです。

チンパンジーに楽しんでもらいたいという一心のプロジェクトですが,逆にプロジェクターの光がチンパンジーの迷惑になってしまうことがないようになど,角度についても色々と話し合いました。

 

2月下旬からは,プロジェクター投影を開始して,チンパンジーの反応を見ながら少しずつ完成に近づけてきました。

こちらはニイニが壁の映像に触っている(というか蹴っている)ところです。

 

公開実験は321日~29日(23日の休園日は除く)に行います。

世界でも初めての取組ですので,是非この機会に動物園にお越しいただければと思います。

もちろん…チンパンジーのことですので,必ず触れているところが見られるわけではありませんのでその点は,ご容赦ください。(屋内でやっているので特にお天気の良い日は,見られたらラッキーな頻度かもしれません^^;)

チンパンジーの皆さんの気分に従って来ていただきます。

 

なお,期間中には来園者の皆さんを対象としたアンケートとアイトラッキングの調査も予定しています。こちらにもご協力いただける方がおられましたら是非お願いします。^^

 

生き物・学び・研究センター 山梨 裕美