生き物・学び・研究センターブログ

2018年9月8日(土)夏は学会発表や研究会のシーズンでもあります。

小中学校,高校はすでに夏休みが終わってしまいましたが,
大学は9月いっぱいが夏休みになります。
ということで,例年,8月終わりから9月にかけて,いろんな学会の大会や,研究会などが開かれます。

8月28日から30日まで,広島県東広島市(広島大学がある町です)で,
日本動物心理学会第78回大会が開かれました。
日本動物心理学会というのは,動物(とくに人間以外の動物)の心と行動に関して研究をおこなっている研究者が集まる学会で,第78回大会という数字からもわかるように,その歴史は古く,昭和8年(1933年)に発足しました。
私は,京都市動物園で行っているゴリラやチンパンジー,テナガザルやマンドリルのお勉強で見られた,年齢による学習の速さの違いについて発表してきました。


今では動物を対象とした心理学研究を行う研究室は少なくなったので,大会の参加者は150人ほどでしたが,
海外から著名な研究者を招いて国際シンポジウムを行なったり,大会のプログラムはすべて英語で行われるなど,国際学会のような緊張感のある大会でした。

続けてもう一つ。
茨城県日立市にある,かみね動物園で,「動物園研究会」が行われたので,出席しました。

研究会のテーマが,大学や博物館との連携で,かみね動物園は茨城大学や日立市郷土博物館との連携をうまく進めているということで,京都市動物園での連携事業の参考とするためです。
プログラムについては,こちらを御参照ください(PDFでご覧いただけます)

研究会では,連携を進める動物園と大学,双方の代表である,かみね動物園長 生江氏と,茨城大学農学研究科 小針氏が,連携の経緯や内容について説明されました。

また,動物園に隣接する郷土博物館との連携についても,双方の職員から説明がありました。
京都市動物園と,府立植物園,京都水族館,青少年科学センターとで実施する4園館連携「きょうと☆いのちかがやく博物館」のように,
動物園と博物館の共同事業「ズーハク(Zoo博)」と銘打って,ワークショップ等を実施しているとのことでした。

研究会では,京都市と京都大学との連携や,4園館連携がモデル事業として参照されていたのが誇らしかったです。
総合討論では,連携の先輩として,京都市動物園で10年続いている連携の経緯などもお話ししました。
また,東西の連携事業で協同の可能性も考えていくことにしました。


田中正之