生き物・学び・研究センターブログ

2018年5月19日(土)『国際生物多様性の日』記念イベント~ロリス講演会~

5月22日は,国連が定めた「国際生物多様性の日」です。この日を中心として生物多様性についての啓発活動や関連イベントが世界各地で開催されています。京都市動物園でも,今月は国際生物多様性の日記念としていくつかのイベントを行いますので,その第三弾をご紹介します!

2018年5月27日は,スローロリスに焦点をあてて,日本の動物園の活動を紹介いたします。

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14時からの講演会は,『ロリス最前線!』ということで,下記の4名の方にロリスについての活動をわかりやすくお話いただきます。普段はなかなか触れることのないお話ですので,ぜひこの機会にお気軽にご参加ください。内容についての情報が出揃いましたので紹介いたします。

  • 木岡真一さん(恩賜上野動物園・日本動物園水族館協会スローロリス種別調整者) 『日本のロリスと栄養改善の取組について~Slow lorises in Japanese zoos and introduction of the activities to improve their welfare』

スローロリスは日本のどの動物園にいるかご存知ですか?いまだに未知なことが多いスローロリスの魅力に迫ると共に,今までに動物園が一体となって取り組んできた取り組みについて紹介します。そして『今後スローロリスのために日本の動物園に何ができるのか』。決して他人事ではない彼らが絶滅の危機に脅かされている現状についてお話します。また研究者と動物園の協力がいかに重要か,上野動物園でのより良い彼らの飼育福祉の向上に向けた栄養学的な取組を紹介します。

  • 根本慧さん(公益財団法人 日本モンキーセンター) 『犬山に!ロリス保全センターができたって!!~Launch of the Loris Conservation Centre in INUYAMA~』

多くのロリスが野生から密輸されているという現実があります。そんなロリスを守るため,またロリスの飼育のお手本となるため,そして多くの方にロリスの魅力を知ってもらうために日本モンキーセンターにスローロリス保全センターを設立しました。スローロリス保全センターでおこなっている活動と現状についてお話いたします。

  • 松島慶さん(京都大学野生動物研究センター) 『ロリスのお腹の中の世界:腸内細菌とガムについて~World inside of loris stomach: relationship between gut microbiome and gum feeding~』

ロリスが普段何を食べているのかご存知ですか?種にもよりますが彼らの主食のひとつは植物ガム,つまり樹液だと言われています。ただしその主成分は消化が難しい食物繊維。彼らはその分解のために腸内細菌に頼っているといわれています。最近になって動物園でもガムをエサとして与えるようになりましたが,そのとき彼らの腸内細菌にはどんな変化が起こっているのでしょうか。

  • 山梨裕美(京都市動物園 生き物・学び・研究センター) 『都会で暮らすロリスたち:野生のロリスと京都市動物園のロリスについて~Urban lorises: Introduction to world of wild and captive lorises』

ロリスたちはどんなところで暮らしているのでしょうか。インドネシアやインドで観察した彼らの野生での暮らしや,京都市動物園で暮らすスローロリスたちとともにおこなう研究活動などについてご紹介します。

そして夕方17時半からは,図書館カフェDEトーク!こちらは事前予約制です。(こちらからお申込方法をご確認ください。)今回の講演者のみなさんに加えて,綿貫宏史朗さん(公益財団法人 日本モンキーセンター)もかけつけてくださいます。そんなチームロリスで,対談形式でロリスの魅力や活動についてお話したいと思います。

0T9A5556(こちらは図書館カフェDEトーク,4月の回の写真です。)

スローロリスを通した生物多様性,そして動物園の活動の多様性について,感じていただければと思っております。ぜひご参加くださいませ。

生き物・学び・研究センター 山梨裕美