生き物・学び・研究センターブログ

2018年3月29日(木)シロマティーとベンケイ,それぞれの変化

動物園の桜は満開となりました。
サル舎やサル島付近の桜も満開。


そのサル舎の住人,シロテテナガザルのシロマティーと,マンドリルのベンケイのおはなしです。


ちょこんと座った可愛らしい姿がお客さんにも愛されています。

ところが,勉強の時間になると,最近ではこちらが定位置に。

ご丁寧に,顔までそむけています。

これは最近になって始まったわけではなく,昨年の夏以降ずっとこんな調子なのです。
まれに,やってきて,少しだけ問題をしてくれることがありますが,5分と続きません。
どうも,最近,勉強にやる気が出ないようです。

この話を,最近いくつかのメディアにも書きました。
毎日新聞「きょうの動物園」(3月10日掲載)

どうぶつのくに.net 「ドクター田中正之のEdutainment in Kyoto zoo」
Vol.43 「やる気のあるサル(ひと)、ないテナガザル(ひと)」(3月23日掲載)

これまでの記録でどうだったのか,これまで同じようにやる気がなくなったことがあったのか,どんな原因が考えられるのか,,,等々
これまでの記録を掘り起こして分析したものを,明日(3月30日)に行われる,日本応用動物行動学会春季研究発表会(webページはこちら)で発表する予定です。

一方,お向かいのマンドリルの方は,ベンケイがあいかわらずやる気(食い気?)満々。

1~7までの数字の順番を覚える勉強を一昨年の秋からやっていましたが,3月に入りようやく合格基準に到達したので,8を加えて1~8までの勉強をしているところです。
おサルにとっては,これまでと条件が少し変わっただけでも,ものすごく難しくなります。
成績も5割以下にまで落ちてしまって苦戦中。

それでも,まだまだやる気はあるので,時間はかかるでしょうが,少しずつ成績は上がっていくと期待しています。


田中正之