生き物・学び・研究センターブログ

2016年12月22日(木)風物詩~こも巻き~

皆さんは冬の風物詩となっている「こも巻き」を知っていますか?

現在,園内の松の幹に藁でできた「こも」を巻いています。

まるで松が「腹巻」をしているみたいです。そんな印象からか「防寒」だと勘違いされることもあります。

しかし,もともとは松を枯らしてしまうマツカレハの幼虫が越冬する性質を利用して,巻いた「こも」の中で越冬させ,春先に越冬している幼虫とともに「こも」を燃やして駆除する目的で行われていました。
ただし,近年に入り,マツカレハよりも害虫の天敵となるクモやヤニサシガメの方が多く同じ場所で越冬していることが分かり,逆効果になっているとの研究報告もあります。
そのため,こも巻きの実施は害虫駆除よりも益虫の越冬場所としての役割の方が大きいと考えられています。

これまで,園内で調査したことがないので,来年「こも」を外す時に観察できればと思います。
生き物・学び・研究センター 和田