生き物・学び・研究センターブログ

2015年2月12日(木)わんぱくニイニ12(困ったタカシ)

勉強中のニイニです。2月12日で2歳になりました。

最近,困ったことになっています。

その原因が,この男,タカシ(左)です。

ニイニが勉強しようとしてモニターに向かうと。

すぐジャマをしに来ます。

そして,場所まで奪ってしまいます。

タカシは,本当は1から12までの数字の順番を覚えているのですが,
最近はニイニの問題を奪うばかりで,1から4までの問題しかしなく
なってしまいました。

問題を奪うだけではありません。

タカシが移動した後のモニター画面にニイニが触ろうとすると,

触らせないように、威嚇(いかく)するのです。

それでもニイニは,タカシの隙をうかがいながら問題を解こうとするのですが,
タカシに見つかると,

立ち退かざるをえません。

それでも,あんまりやりすぎると,勉強中に自分の後ろでドタバタやられている
ジェームスの機嫌が悪くなります。

そんなときには,グルーミング(毛づくろい)でご機嫌取り。

そして,ジェームスが再び勉強に戻ると,

ニイニの妨害を始めます。

まったく。。。大きな体をした大人が,反抗できない小さな子どもを,
ごほうびをもらえないようにいじめて,しかもその場所を自分が横取りする。
自分より強い者には,へりくだってご機嫌をとる。

人間的な見方をしたら,クズです。

ですが,チンパンジーの世界は,人間ほど子どもに優しくはありません。
子どもはこんな環境でも,なんとか大人を出し抜いて,ごほうびを
手に入れようと小さな頭を使います。
こうした経験を通して,チンパンジーの社会の中で生き抜くしたたかさが
身に付くのかもしれません。

ちなみに,これだけ意地悪されても,ニイニはよくタカシと遊んでいます。

遊びの中で、タカシに強気に出たりもしています。

ひょっとしたら,こういう機会に,タカシを試しているのかもしれません。
ニイニの成長に合わせて,二人の関係は変わっていくでしょう。
楽しみに見ていきたいと思います。


田中正之