生き物・学び・研究センターブログ
2014年9月16日(火)コイコさんの底力
2月にチンパンジー舎に新しいフィーダー(給餌装置)を設置してから、いろいろとありましたが5月末頃までは平和に時が過ぎていきました。
しかし、あるときコイコが目覚めてしまいました。
フィーダーの蓋を取ることに…。
透明な塩ビパイプには掃除口がついていて、回せば取り外しができるように
してありました。人が清掃しやすくするための工夫です。
他の施設のチンパンジーでも同様の掃除口が使われることがありますが、
たいていの場合チンパンジーはキャップを外すことはしません。
ところが、試行錯誤の末、コイコは掃除口を外せることに気づいてしまったようです。
現在の形状では目的が果たせない…。
コイコは年の功か野生の功か、時折このような、人が予測していない行動をやってのけます。
そこで、今回さらに改良をおこないました。
取り外しがしやすく、メンテナンスがしやすいながらも、かつチンパンジー(主にコイコ)に取られないように…。
南京錠で固定して、鍵を使って人間は取り出すことができますが、
チンパンジーには外すことはできません。
早速、強度チェックするコイコ先生。
今のところ大丈夫らしい…
コイコの野生の底力に今度こそ勝てますように…。
山梨(京都大学野生動物研究センター)
田中正之(代筆)