生き物・学び・研究センターブログ

2013年10月20日(日)チンパンジー群の男たち

今回は,京都市動物園のチンパンジーの群れの中ではやや地味な存在の
男性陣を紹介したいと思います。

まずはタカシです。 活き活きとした顔で勉強に取り組んでいるところです。
こう見えて,群れの一番の秀才なんです。
数字を数える勉強で,1から12まで数えることができます。

彼はずるがしこさも一番で,他の子が勉強をやめて立ち去ったりすると,
すかさずその席に移ろうとします。
他の子の問題は,タカシからみたら簡単な問題だということを知っているのです。

続いて,ジェームス。
珍しく撮れた,正面からの写真です。
唇を少し突き出したこの表情は,ブーブーと不満を表しているときの表情で,
この後,大きな音を立てて「ディスプレイ」が始まりました。

ジェームスは,勉強を始めるのが1年半ほどタカシたちから遅れました。
そのため,一番勉強が遅れていたのですが,どんどん数字を覚えていき,
コイコより先に1から7までの数字を数えられるようになりました。
勉強の進む早さだけ見たら,タカシと変わらないほどなのです。

その一方で,タカシと比べると,ずっと社交的なチンパンジー。
写真は,寝そべった姿勢で枝を使ってジュースを飲むコイコと,
後ろに並んでいるスズミ(左)とジェームス(右)。
 

そしてもう一人の男が,上の写真では右端で枝で遊んでいるニイニ(8か月)。

最近,ますます大人たちが使っているタッチモニターに興味をもつようになってきました。
写真の一番奥,モニターをのぞきこんでいる,小さなチンパンジーがニイニです。

そして,これが最近のニイニの正面顔。

すこしずつ,赤ちゃんの顔から,男の子の顔に変っていくのでしょう。
これからも観察を続けます。

 


田中正之