生き物・学び・研究センターブログ
2010年11月19日(金)マンマルの2年間(その3)
2008年の8月以来、数字の順番を覚える学習に参加してくれていたマンマル(3歳)ですが、大阪の天王寺動物園に移動しました。さびしくなりますが、新しい環境に早く慣れてくれることを祈っています。
さて、前回の続きです。
マンマルの苦労は続いていました。
たまにマンゴロウたちがいないときにタッチモニターに近づいてきても、しきりに周囲を気にします。
振り返ってマンゴロウたちの位置を確かめるマンマル。
隙を見計らっての学習が続きました。
暖かくなるにつれ、徐々に学習も進んでいきます。
1-2-3-4、1-2-3-4-5と、時間はかかりましたが覚えていきました。
この間、2009年4月には妹のランマンが生まれました。
真中がランマン。
そして2009年10月には早くもランマンが勉強に参加するようになりました。
兄が勉強する様子を毎日見ていて、自分でもやってみたくなったようです。
左から、マンマル、ランマン、マンゴロウ
そして、マンマルとランマンの兄妹による勉強場所の取り合いが始まったのでした。
この頃には、マンマルの体もずいぶん大きくなり、マンゴロウの妨害が徐々に弱くなっていきます。こうなると、マンマルがずっとタッチモニターの前に居座るようになり、ランマンが勉強するチャンスがないときさえありました。
ランマンは、マンゴロウがマンマルを追い回している隙をぬって勉強していました。
2010年に入り、7月には妹のロマンも生まれ、タッチモニター前はにぎやかになりました。
ただし、母親のオネを気にして、マンマルはロマンにはあまり触れません。
ロマンはもっぱらランマンに遊びかかっていました。
ランマンの上に乗っかるロマン。その両側には両親のマンゴロウとオネ。両側からにらまれながら勉強するランマン。
この状況では、マンマルは寄ってくることができませんでした。
両親から邪魔をされ、妹たちにも遠慮しながらでしたが、マンマルは毎日の勉強に参加してきました。サル舎に着くと、いつも真っ先に勉強場所に来て、始まるのを待っていたのがマンマルでした。
すっかり大きくなったマンマル
お別れするのは残念ですが、彼のおかげで妹たちもタッチモニターを怖がらずにすんなり勉強に取り組めました。マンゴロウが開き、マンマルが発展させた「マンドリルのお勉強」の文化は、妹たちが受けついでくれることでしょう。
2年間、ごくろうさまでした。
田中 正之