飼育員ブログブログ
2024年10月18日(金)類人猿舎の歴史4~移動~
類人猿舎への移動の様子は、映像(京都ニュース、1970年3月)でも記録されています。
当時は、直接飼育(動物と同じ空間に入り世話をする方法)をしていたことから、手を引いたり、抱っこやおんぶをしたりして移動させていました。
オランウータンは移動の3週間前に来園したばかりで、ナナ(メス、推定5歳、18.7kg)はおんぶされ、ゴロ(オス、推定4歳、22.5kg)は抱っこされて、問題なく移動しました。
そして、類人猿舎に慣れるのも早かったようです。
チンパンジーは、ハツコ(メス、5歳、41kg)が新しい動物舎への移動を嫌がったため、入室までに1時間ほどかかったと飼育日誌に記載されており、手を引く飼育員に駄々をこねて、あやされているような写真も残されています。
タロー(オス、推定2歳、10kg)は、オランウータンと同じく来園したばかりで、飼育員に抱っこしてもらい移動しています。
ゴリラの移動は檻を使用しています。というのも、当時すでに12歳になっており、抱っこやおんぶでは到底運べなかったからです。
ジミー
べべ
また、猿類舎内での作業ができなかったようで、グラウンドの檻を切断して収容作業が行われていました。
コンクリートブロックと木材で高さを調整し、
移動檻をグラウンド内に運び入れ、
動物収容後は、フォークリフトを使って移動させています。
そして、小さいうちは園にある体重計で量れていましたが、
今回は、さすがに難しかったため、京都市経済局・計量調査所の協力を得て計測しました。
その結果、ジミーが196.5kg、べべが107.3kgでした。
動物舎の移動作業は、オスが11:30-14:20(170分)、メスが14:45-17:00(135分)までかかったようです。
ゴリラたちは、前の動物舎で過ごしていた期間が長かった分、移動後の環境に馴化するまでに時間がかかったようで、特にオスが気にしていたようです。
長くなりましたので、式典については、次で紹介したいと思います。
園長 和田