飼育員ブログブログ

2024年10月8日(火)類人猿舎の歴史2~建設への流れ~

 本園での類人猿の飼育は、ボルネオオランウータンが明治44(1911)年から、

【明治44(1911)年発行の動物園一覧より:「しやうじやう(猩々)」と表記されています。】

テナガザルの飼育が大正5(1916)年から、

温暖室のテナガザル

チンパンジーの飼育が昭和9(1934)年から始まっています。


 そして、昭和30年代には、シシオザル、マンドリル、マントヒヒ、ミドリヒヒ(?)、ブタオザル、クロテナガザル、ボンネットザル、カニクイザル、ミドリザル、マーモセット等が温暖室で飼育されており、

手狭になったことから、サル類の飼育場所として、昭和34(1959)年度~36(1961)年度にかけて、昭和35(1960)年6月に2室、同年10月に5室、昭和36(1961)年12月に2室が竣工して、計9室が横に並んだアパート形式の熱帯猿類舎が整備されました。


 
 その最中、昭和35年(1960)10月にローランドゴリラ1ペア(ジミー(オス)、べべ(メス))が到着し、

【コンゴ生まれで、1年ほど現地の人に飼育され、ウィーンの動物商経由で来園したと紹介されています。】

先住のテナガザルやチンパンジーと共に猿類舎で類人猿が飼育されるようになり、

【来園時推定2歳、身長60cm、体重8kg】

成長にともない、今度は類人猿舎の建設計画が立てられました。


 8~9歳頃と思われますが、ぐっと体が大きくなっているのが分かります。

 昭和37(1962)年頃の園内マップには新猿類舎として記載されており、


 整備に合わせて、正門にはサルのアーチが設置されるなど盛り上げていたようです。



 次は、いよいよ類人猿舎の竣工について、お伝えします。
 なお、新猿類舎は、後年サル舎と呼んでおり、


100周年記念事業の一つとして、平成16(2004)年に現在のサル舎が整備されたことにともない撤去されています。

現在の状況です。
 園長 和田