飼育員ブログブログ

2024年9月13日(金)イチモンジタナゴの稚魚、里帰りしました!

絶滅危惧種であるイチモンジタナゴ。
琵琶湖で生息していましたが、環境の変化により確認が困難となってしまいました。
琵琶湖疏水でつながる動物園では、隣接する平安神宮神苑の池にイチモンジタナゴが生息していることから、繁殖に取り組み、野生への再導入を目指しています!

動物園でなぜ魚?と思われる方も多いかもしれませんが、京都にゆかりのあるイチモンジタナゴを守るため、当園では「守れ!イチモンジタナゴプロジェクト」というプログラムも実施しています。
詳しくはこちらをご覧ください!

今年は203尾の稚魚が浮上し、177尾の稚魚が元気に育っています!
京都市動物園史上初めて、200尾を超える稚魚が浮上したことを受け、今年はここ数年実施している平安神宮へイチモンジタナゴを再導入する取組を9月にも行うことにしました。
様々な手続きや調整の末に、昨日、平安神宮神苑に39尾の稚魚を放流してきました!

稚魚たちは放流の前日、外の水温に慣らすために屋外へ移動し、一晩過ごしました。

そして、放流の日。
ビニール袋に入れたのち、酸欠にならないように診療室で酸素を入れてもらって、職員が大事に手で平安神宮まで持っていきました。

平安神宮の池にビニールのまま浮かべ、水温を合わせた後にいざ放流!!

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広い池に出ていった稚魚たちは皆で群れで行動していました。

頑張って生き残り、たくさん子孫を残すんだよ~と思いながら、平安神宮を後にしました。

当園のイチモンジタナゴは平安神宮由来です。
・同じ水系である
・生態系を崩す心配がない
・平安神宮に申請し、許可をもらった上で、平安神宮の職員の方の立ち合いの元で実施できる
これらの理由から、ここ数年当園で浮上したイチモンジタナゴを平安神宮へ里帰り(野生への再導入)させています。
※安易な放流は絶対にしてはいけません。

39尾の稚魚たちが、少しでも多く生き残り、逞しく生きてくれることを願っています。

イチモンジタナゴ担当:櫻井