飼育員ブログブログ

2024年5月17日(金)おとぎの国のウサモルばなし Step14 ”最終回(後編)”

ではでは連載最終回、後編です!
(前編はこちら

正直なところ写真も選びきれないほどあるし、書ききれない思いが溢れているのですが…。
「立つ鳥跡を濁さず」、今の思いを綴ってみます。

ウサモル担当になってから、動物の闘病や死に立ち会う機会が多くありました。
たいてい誰か治療中の個体がいて、仕事が休みの日でもその子のことが気にかかっていました。
飼育個体数が多く、その分高齢個体も多いため、仕方のないことではあるのかもしれません。

それでも、物言わぬ動物たちの不調をなるべく早く見つけてあげたいし、できる限りのことをしてあげたい。
悔しい思い、悲しい思い、失敗もたくさんして、少しはレベルアップしてこれたような気がしています。


テンジクネズミのスルメおばあちゃん、闘病中の1枚。
両後肢が不自由で寝たきり状態になり、歯も悪かったのですが、小さく切ったり練ったりした餌を懸命に食べてくれていました。
どんな餌なら食べてくれるのか、どうすればより苦しまずに過ごしてもらえるのか。
試行錯誤する日々が続きましたが、最期は私たち職員のいない夜間にそっと旅立ってしまいました。
今年で8歳になるはずだったスルメ、立派な大往生でした。

先述したコンブやスルメ以外にも、この1年間何頭ものウサギとテンジクネズミを看取ってきました。
動物たちが生きようとする力には何度も驚かされましたし、色々なことを考えさせられました。
ウサギもテンジクネズミも当園では飼育個体数が多い動物種ですが、もちろん担当者としては1頭1頭に思い入れがあり、大切に思っていて、少しでも元気で快適に長生きしてほしいと願っています。

「今年もお誕生日を迎えられて本当におめでとう」「最期まで頑張ってくれてありがとう」という私の思いを、もっとお客様にも伝えたいなと感じてはいました。
ただ個体数が多い分、全ての個体のお誕生日や、死亡のお知らせをするのはなかなか難しく…。
今となってはもっとうまくやれたのではないかなぁと悔やまれます。


一方でとても良かったなと感じているのは、テンジクネズミの繁殖を4年ぶりに成功させられたことです。
私にとっても、自分の担当動物の出産は初めての経験でした。

 
少しずつ大きくなっていく赤ちゃんを見守る毎日は、本当に幸せでした。

 
おとぎの国のMIKKEルームで、ガラス越しに赤ちゃんをご覧いただくことができます。
ぜひ会いにいらしてください(ο^w^) (私もまた会いに行きます!)
はなむけとして私が掲示した赤ちゃんの成長記録も、少しの間は貼っておいてもらえるそうです。
気になる方はどうぞお早めに…!

他園のウサモル担当さんとのつながりができたり、ウサモルの不調にすぐ気づけるようになってきたり…。
「まだまだこれから頑張るぞ!」と思っていたところでしたので、担当替えでおとぎの国を離れることに寂しさや悔しさもあるのが正直なところです。
たくさんの経験をさせてもらい、たくさんの思い出をくれたおとぎの国の動物たち、先輩飼育員や獣医さん。
経験したことや学んだこと、感謝を忘れず、新しいエリアでも頑張ります。

どうぞこれからも、おとぎの国の愛しい動物たちをごひいきに、会いに来ていただけると嬉しいです♡
当連載への応援、温かいメッセージをありがとうございました!

旧担当 にしもと