飼育員ブログブログ

2023年7月3日(月)激動の3日間

少し前のブログで、体重の推移などからミーミーの妊娠の可能性はあまり高くなさそう…とお伝えしたばかりでしたが、念のため展示を休止した6月27日に3頭の子どもを出産しました!

体重もそんなに増えていなかったし、巣材の準備もしていなかったし、その日の午前中は相変わらず部屋の中をびゅんびゅん飛び回っていたので、本当に驚きました^^;

3頭のうち、1頭は小さいなぁと思っていましたが、28日に亡くなっていた1頭(大きめだった子)の体重は55g。レッサーパンダの子どもは平均100-150gで生まれるそうなので、これは3頭ともかなり小さいぞ?!となりました。
体重がそんなに増えていなかったのはそのせいか…?と思いました。

28日の昼前には、ミーミーが大きい方の子の面倒は見ているけれども、小さい子はにおいを嗅ぐだけで、舐めたり、自分の近くに寄せたり、温めたりする様子もなく、普通に踏んづけたりする様子が見られたので、取り上げて人工哺育に切り替えました。

脱脂綿に含んだミルクを口に含ませる様子

1番小さい子の体重は39g。

ものすごく小さかったけれども、少しはミルクを飲んでくれる様子もあり、どうにか頑張ってほしいと思いましたが、翌朝には亡くなっていました。

残るは1頭。ミーミーが面倒を見てくれているからどうにか!と思っていましたが、29日の朝からミーミーが巣箱を不在にすることが多くなり、巣箱に戻っても子どもを舐めてはあげるけれども、あっためたりお乳をあげている様子はなく…

巣箱から出て休んでいるミーミー

でも面倒を見る気はまだあるから、どうにかミルクだけこちらであげてミーミーに育ててもらいたいと思い、お昼にミルクをあげてみて、ミーミーが気にしてしまったらもう人工哺育に切り替え、ミーミーが気にしなければ介添え哺乳(ミルクだけ人があげること)でいこうと決めました。

良いのか悪いのか、ミーミーはりんごを置くと巣箱から出てきてくれるので(たぶんあんまり良くない笑)、ゴム手袋にしっかりミーミーとミーミーのうんちのにおいをつけて、ミーミーには見られないように哺乳。

ありがたいことにミーミーは哺乳をしたあとも気にしない様子だったので、介添え哺乳でやっていこうと思っていたのですが…夕方には子どもの元気がだいぶなくなっていて、急遽治療を行いましたが、その日の夜には亡くなってしまいました。
最後の子が1番大きくて、それでも60gほどでした。ちなみに最後の子がオス、他2頭はメスでした。

そもそもが小さく生まれてしまったため、何をどうしても厳しかったのかもしれませんが、本当に残念な結果となってしまいました。

レッサーパンダの子どもは1-2頭で生まれることがほとんどなので、3頭生まれる可能性は5%ほどらしく…
そんな奇跡今ここで起こしてくれんでも!と思う気持ちもありましたが、ちゃんとミーミーが妊娠・出産ができる個体であることがわかったこと、いい年になり始めているウーロンもまだ繁殖能力が残っていること笑、いいことも学ぶこともたくさんありました。

グラウンドでの展示を再開したミーミー

そして何より、ミーミーが無事でいてくれたことは本当に良かったなぁと思っています。
初産でもし大きく育った3頭を生もうとしていたら、難産になったり、ミーミーの体に大きな負担がかかっていたと思われるので、今回はミーミーが無事だったことがせめてもの救いです。

ウーロンとミーミーの繁殖に取り組んで3回目となりますが…

1回目は交尾もせず。
2回目は交尾はしたけれども、妊娠せず。
3回目は交尾もして、妊娠・出産もしたけれど育たず。
これは1年ずつ段階を踏んできているなぁと思っているので、次こそは妊娠・出産して育つ!だと思っています!

来年6月で13歳になるウーロン

ただ、レッサーパンダの繁殖可能年齢は平均13歳。
次の繁殖期はまだギリギリ12歳ですが、個体によっては早めに繁殖できなくなる個体もいるでしょうし、本当にウーロンの限界が近づいてきています^^;

次がラストチャンス!くらいの気持ちで挑みたいと思います笑

次がまた来年、というのが遠いですが、また来年まで待っていてください!

レッサーパンダ担当 なかはら