飼育員ブログブログ

2023年4月14日(金)わたしの街の未来の桜プロジェクト

ゾウ舎とクジャク舎の間に植えられた桜の苗木。
みなさんお気づきになられたでしょうか?(^^)

桜の苗木と記念石碑

この苗木、実は株式会社 伊藤園様との協業がきっかけで
伊藤園様の「私の街の、未来の桜プロジェクト」として寄贈されたものなんです!
ゾウ舎とクジャク舎の間に2本、寄贈していただきました(^^)

きっかけは「麦茶の出し殻」の飼料利用のお話からでした。
お茶を煮出したあとの「出し殻」の利用方法を検討されていた伊藤園様と
動物用飼料の探索とSDGsへの貢献を検討していた京都市動物園とで
お互いの想いが合わさって実現しました(^▽^)

麦茶の出し殻(麦茶殻)

麦茶殻の栄養分析や品質を確認し、動物たちの嗜好性も確認したところ
アジアゾウの飼料として利用できることが分かりました。
麦茶殻の大元は「大麦」ですので、飼料としても広く利用されています。
そして麦茶として大麦を煮出していることもあり、
まるで炊いたようにデンプンも変化し、独特の風味を出しています。

緑茶でもお話をいただいておりましたが、緑茶には「カフェイン」が含有されていることもあり
飼料としては断念したものの、京都市動物園で実施している「動物の糞から堆肥づくり」で
活用されることになりました。

現在アジアゾウの糞で堆肥を生産しているのですが、こちらの半分を「緑茶の出し殻」に
替えることで、より畑でも使いやすくなる成分の堆肥となりました。
この「緑茶殻含有堆肥」は伊藤園様の契約茶畑で使用していただき、茶葉の生育に
一役買ってくれることでしょう(^^)

緑茶の出し殻と堆肥化機械

アジアゾウが麦茶殻を食べ、食後に出した糞が堆肥となり、その堆肥で育った茶葉からお茶が出来上がる。
このグルグルと回り続けるサイクルが出来上がり、省資源や循環型社会の実現に少しでも寄与できる形が
生まれたことはとても喜ばしい事例でした。
この麦茶殻の取り組みは京都をスタートとして、他の地域にも広めていければと考えています。
実現に向けて様々な面で協業していただけた伊藤園様、そして伊藤園様と京都市動物園を繋いでいただいた
在京都ラオス人民民主共和国名誉領事館 名誉領事の大野嘉宏様にお礼申し上げます。

植樹した桜の苗木は5年物で、来年か再来年の春には可愛い花を咲かせてくれそうです(^^)
ゾウ舎とクジャク舎の間にありますので、近くを通られたらぜひ御覧になってみてください!

4月10日の植樹式の様子
左から株式会社伊藤園 坂東様、当園園長 坂本、名誉領事 大野様
麦茶殻について解説中の株式会社 伊藤園 絹村様
植樹の様子
プロジェクト関係者とアジアゾウ(左から夏美ブンニュン、春美カムパート)
未来の桜プロジェクト

アジアゾウ担当 アラマキ