飼育員ブログブログ
2023年4月1日(土)【野鳥舎】最近のムッシュ
暖かい日が続き、園内はすっかり春の装いです。
野鳥舎にも、優しい陽の光が差しています。
さて、最近のクロエリセイタカシギのムッシュ(♂)は、
観覧スペースから離れた場所で立っていたり、座っていたりすることが少し多いです。
推定23歳以上でご長寿のムッシュ、
脚を折って歩いたり立ったりする期間が続いていましたが、
最近は立っていることが辛い日もあるようです。
実は、2022年5月に亡くなったクロエリセイタカシギのマダムも、
晩年は一日の多くを敷きワラの上に座って過ごしていました。
ムッシュは敷きワラよりも人工芝などがお好みのようですが、
少しずつ体調が万全でない日が増えているように思います。
好物だったミルワームも、
最近はそこまで積極的に食べようとしていません。
足裏の腫れが大きくなって、跛行が目立つ日もありました。
当日捕獲したところ、かなり痩せていることも分かりました。
ムッシュの足裏
(3方向に分かれた足趾の基部が腫れている)
薬を塗ることで跛行を抑えることはできましたが、
ムッシュは高齢で、捕獲によるストレスや怪我のリスクも大きいため、
継続的な処置による根本治療はなかなかできません。
現在野鳥舎では、地面から少し高さをつけた台の上にエサを置いています。
「ムッシュが重心を落とさずにエサを食べられる」ことが狙いです。
トラップカメラを使った観察により、
新しいエサ場で積極的にペレットを食べる様子がみられました。
新しいエサ場で
夜間にペレットを食べるムッシュ
今後は、体重が増えすぎないように栄養管理しながら、
少しでも快適な生活をムッシュに提供できればと思います。
座ってばかりでなかなか動かなかったり、
見えにくい場所に隠れたりしているかもしれません。
ですが、動物舎のネットを叩いたり、大声で呼んだりすることなく、
優しく見守っていただければと幸いです。
よろしくお願いします。
野鳥舎担当 星野