飼育員ブログブログ

2023年3月13日(月)獣医室だより198 カイウサギの鼻炎

カイウサギのトロロの鼻から、鼻水と粘性の膿が見られるようになりました。
X線撮影や臨床症状から、感染性の鼻炎と診断して治療を開始しました。

今回の感染性鼻炎について、パスツレラ症を疑いました。
これは慢性化すると治療が困難な病気で、早期の治療が大切でした。
何種類か抗生剤を試してみましたが、なかなか効果が現れません。
膿の耐性菌検査を行うこともありますが、培養に時間がかかり、また採材をするために鎮静や麻酔が必要であるため、高齢のこの個体では実施しませんでした。
草食動物であるため抗菌薬で腸内細菌叢にダメージを受けやすく、消化吸収がうまくいかなくなる可能性があり、食欲や排便状況を見ながら投薬を調整しました。

最終的にテトラサイクリン系と呼ばれる抗菌薬を与えてから鼻炎が収まりました。
完治したかまだ未確定であるため、現在経過を観察しているところです。

土佐