飼育員ブログブログ
2023年2月2日(木)サル島の思い出8
現在、サル島から類人猿舎に移動した個体は12頭です。
その中で、もっとも若いのはNo.586のヨネで、14歳5カ月です。
そして、このNo.は1970年11月に新たな個体群を導入してから、サル島で飼育したアカゲザルの個体数でもあり、52年間で587頭を飼育してきました。
2008年8月28日生まれのヨネ(メス)は最後から2番目の個体で、最後の人工保育個体でもあります。
そして、2009年6月19日にリズムの子として生まれたテンポ(オス)が最後の繁殖個体となりました。
今回は、その個体群を導入する時のお話です。
昭和45(1970)年9月15日の日誌に、猿島工事のためアカゲザル9頭を温暖室に収容、そして、イノシシを収容するために小獣舎のヤマアラシを移動させたと記載されています。
その後、10月8日の日誌に、猿ヶ島の塗装工事完了と記載されていました。猿園から始まったサル島でしたが、猿島・猿ヶ島・サル山などいろいろと呼ばれていたようです。
そして、10月31日にまずはイノシシ4頭が猿島に戻り、翌11月1日には新たな個体群26頭が到着し、計35頭の群れが作られました。
ただし、残念ながら死亡個体がでたため、最終的に29頭が11月4日に猿島に収容されました。
この際、群れに通し番号が割り当てられ、個体番号0001は「イチ」と名付けられています。
なお、新たな群れづくりを行ったきっかけは感染症(結核)であり、感染経路として来園者が猿島内にタンやつばをはいたり、食べかけの菓子を投げたりしたためと考えていたようで、1972年10月8日発行の「動物園だよりNo.2」にも記載されています。
近年はコロナ感染症への感染防止対策として、衛生管理や物理的な距離を取っていましたが、今後も飼育動物の健康管理に留意していきたいと思います。
副園長 和田