飼育員ブログブログ
2022年12月28日(水)少しずつ…
今年、サル舎では今までできなかったことができるようになりました。
本当に小さなことなのですが、紹介したいと思います。
それは、マンドリルが日中、寝室とグラウンドを行き来自由にできるようになったことです。
ただ、扉開けるだけじゃないの?と思うかもしれませんが、マンドリルは警戒心が強く、いつもと違うことをすると収容ができなくなることがよくありました。
寒い冬、収容ができないからといって外に出したまま帰るわけにはいかないので、確実に収容するため、今までは日中は外で過ごしてもらってきたのです。
以前から外に出て欲しい時はすぐ出てもらう、寝室に入って欲しい時はすぐ入ってもらう、ができるようになればお昼にもグラウンドに餌が隠せる、とか、治療が必要になったときも助かる、と思っていました。
そこで、今年の春頃から何もないときに寝室とグラウンドの間の扉を開けることをはじめ、何も起こらない、怖いことはない、ということを感じてもらうようにしてきました。
これを始めた当初、特に警戒心が強いオネとイズミは、担当者がいるときに寝室に入ってくることはあまりありませんでした。
夏は、日中、冷房の効いた室内を開放。この頃から外より快適なのか、室内を利用する頻度が増えてきました。
その延長で、昼間に一度収容し、餌を隠してから再度グラウンドに出すこともできるようになりました。
最近はお客様からは見えない、マンドリルの部屋の奥にある小部屋への馴致を始めています。
まずは部屋に慣れてもらうことが必要です。
グラウンドと寝室を行き来できるようにしたときと同じで、休園日に小部屋を開放することから始めました。
続いて小部屋経由で寝室に収容する練習を実施。
そして、最近は収容後、寝室から小部屋に来てもらう練習をしています。
小部屋に入ったらいいことがあることを覚えてもらうため、小部屋に来たらご褒美をあげています。
そして、様子を見ながら扉を閉め、1頭になっても大丈夫ということを覚えてもらいたいと思っています。
意外にも小部屋への馴致はオネが一番やる気で1頭で小部屋に入ってきては美味しいものをたくさんもらっています。
まだ扉は半分ほどしか閉められませんが、扉に触るだけで警戒するベンケイに比べるとかなり進んでいます。
警戒心が強いマンドリルですが、彼らのペースに合わせながら少しずつできることを増やしていきたいと思っています。
マンドリル担当:櫻井