飼育員ブログブログ
2022年11月6日(日)獣医室だより186 ヒツジの歯科治療
ヒツジのチョコの右頬に、硬い何かが目立つようになりました。
口を開けて確認すると、右上の臼歯が頬に向かって尖っているのが見えました。
長年草を磨り潰すために使い続けたことで、歯の形が変形してきたようです。
今のところ症状はありませんが、今後痛みから食欲が落ちてくる恐れがありました。
さて、ヒトの歯科治療と異なり、動物の歯科治療では動物は口を開け続けてくれません。
前歯であれば保定して治療することも可能なのですが、今回尖っていることが分かった臼歯は奥歯。
治療のために、麻酔をかけることにしました。
予想より薬の効きが遅く、注射後25分に麻酔状態になりました。
喉頭鏡という装置で頬の肉に当たらないようにしながら、臼歯カッターで尖った部分を削ります。
歯が当たっていた部分が潰瘍になっていたので、もう少しすれば痛みが出ていたかもしれません。
早めに治療をしてよかったと感じています。
処置が終わった後拮抗薬を打ち、起きるまでに10分程かかりました。
麻酔の効きと醒めに、少しやきもきした一例でした。
土佐