飼育員ブログブログ

2022年10月19日(水)美都はしばらく室内での展示となります

アジアゾウの美都ですが、右後肢の爪をケガしてしまいました。
私たちの指だと「薬指」の位置になる第4指の爪が剥がれてしまったんです…
患部の状況確認や治療を優先させていただき、
治療経過のお知らせが遅くなり申し訳ございませんでしたm(_ _)m
美都は少し肢を気にしていますが、治療の経過も良好で
食欲等も問題なく元気にしていますので、ご安心ください(^^)
ただしばらくは患部を清潔に保つ必要がありますので、グラウンドには出さず、
部屋で療養してもらう予定です。

食欲旺盛な美都_部屋の中には消毒液も散布しています

※以降は治療の写真等も出てきますので、苦手な方はこちらでページを閉じてくださいね。


どうして美都の爪が剥がれてしまったかというと、夜中に立って寝ていた時に
バランスを崩してしまったことが原因のようです。
夜間の様子(公式YouTubeページに進みます)

美都が立って寝ること自体はいつも通りなのですが、この日は途中で
膝から力が抜けへたり込むように「ガクッ」とバランスを崩しており、
その際に爪に大きな負荷がかかってしまい、
爪が剥がれてしまったと考えられます。

ケガ初日
剥がれた爪の外側
剥がれた爪の内側

今まで爪に亀裂が入ることはありましたが、爪全体が剥がれることは初めてのことでした。
美都もケガしてすぐの様子を見ると、何が起こったのか分からず部屋の中を歩き回っていました。

ケガをした初日は血液や糞で汚れた部屋から移動してもらうことから始まりましたが、
なかなか移動してくれませんでした…歩くのも痛かったのだと思います。
ただ「肢を見せて」と指示を出すと素直に近づいてくれたので、
ケガをした初日からしっかりと治療することができました。
痛み止めや抗生剤も、警戒しながらも頑張って飲んでくれています。

患部を消毒して薬を塗った肢

治療はとても順調に進んでいますので、爪の再生が始まって患部の保護が進んだ段階で、
グラウンドに出すタイミングを決めていきたいと思います。
それまでは寝室の窓から美都の様子をご覧いただければ幸いです。

今回のことで、普段から元気な美都も、やはり年相応に運動能力や対応力が
落ちてきているのだと痛感しました。
現在の動物舎の構造上、床の材質を衝撃が吸収できるものに変えることは難しいですが、
もっと横になって寝る機会を増やしたり、立って寝ていてもバランスが保てるような工夫も
考えていきたいと思います。
以前に、部屋の中に砂を入れてみたこともあるのですが、その時は美都が警戒してしまって
余計に睡眠時間が減ってしまったという苦い経験もあります…

美都の治療の経過は引き続きお知らせするようにしていきますので
皆さんからも美都の爪の回復を祈願していただけると嬉しいです。

アジアゾウ担当 アラマキ