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2022年10月9日(日)獣医室だより183 アムールトラの麻酔

アムールトラのアオイはてんかん発作を起こすことがあり、現在のトラ舎では、発作時に落下して怪我をする危険がありました。
そこでこの度、以前お知らせしたとおり、アオイを高低差の少ないジャガー舎へ移動させました。

トラ舎とジャガー舎は隣同士の建物ですが、通路で繋がっているわけではありません。
このため、アオイに麻酔をかけて連れていく必要がありました。

当園では、麻酔をかける際に様々な検査を行います。
心電図を取ったり、採血を行ったり、聴診を行ったり…
飼育担当者が移動に向けて作業を行う横で、獣医師も分担して診察を進めていきました。

診察の中で、伸びて肉球に届いている爪を発見しました。
歩行異常が見られる前に発見・治療することができたのは、思わぬ収穫でした。

ネットに包んで大型のケージに収容し、ジャガー舎に移動します。
寝室に運び込んだ後に、麻酔薬の拮抗薬を注射して覚醒を待ちます。
目が覚めてから歩けるようになるまでに少し時間がかかりましたが、大きな事故もなく終了しました。

アオイは現在、ジャガー舎でご覧いただけます。

土佐