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2022年8月8日(月)獣医室だより176 カイウサギの食欲廃絶

ある日、カイウサギのゴマダンゴが、朝から全く青草を食べないと報告を受けました。
観察に行ったところ、確かに用意した青草を全く食べず、部屋の隅で小さくうずくまっています。
ウサギで食欲不振が見られる場合、歯の病気、腸閉塞、腸炎など様々な疾患を疑います。
総じて言えるのは、カイウサギでは食欲不振が致死的な病気につながること。
症状がどんどん悪化することに加え、食欲不振から肝臓の病気を続発しやすいのです。
このため、食欲が落ちた個体はすぐに治療する必要があります。

血液検査、X線検査、触診などを行い、消化管の運動機能が低下していると診断。
この鑑別が重要で、症状によって治療方法が全く異なります。
さて、すぐに投薬を開始したゴマダンゴ。
翌日朝から元気よく餌を食べ始めてくれました。
体重減少も見られず、本日も元気にグラウンドで過ごしています。

早期発見、早期治療の大切さを教えてもらった一例でした。

土佐