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2022年7月31日(日)獣医室だより175 テンジクネズミの異所性骨形成

テンジクネズミのマシュマロの目をよく見ると、角膜の辺縁に白いいびつな突出があります。
これは、異所性骨形成といわれるもので、テンジクネズミで見られる病気です。

テンジクネズミは、ヒトと同じく自身の体内でビタミンCを合成することができません。
そこで、様々な病気の予防のため日常的にビタミンCを与えるのですが、このビタミンCが目のレンズの中に分泌されることで、カルシウムが沈着するのではないかといわれています。

異所性骨形成の大部分の症例では、治療は行われません。
その他眼疾患を併発することは少なく、また不快感や視力障害もないとされます。

一方で、緑内障が続発した場合には、眼圧が上がることによる痛みが発生する場合があります。
食欲等をよく見ながら、経過を観察したいと思います。

土佐