飼育員ブログブログ
2022年6月25日(土)獣医室だより171 アジアゾウの採血
今年度から、アジアゾウの担当獣医師を離れることになりました。
ゾウの採血について書いたことがなかったことに気づきましたので、今回ご紹介させていただきます。
アジアゾウで採血を行うことができる部位はいくつかありますが、当園では耳の静脈を使っています。
まず、静脈を温タオルで温めます。
他に、グラウンドで運動させて、静脈が浮いてから採血するという方法もあるそうです。
採血する部位の消毒を行います。
我々が健康診断で採血を受けるときと同じですね。
ただ、人間と異なり、いつもじっと静止してくれるとは限りません。
ゾウが少し体を動かしただけでも、穿刺部が大きく移動してしまう可能性があります。
このため、翼状針と呼ばれる、長い管のついた針を使って採血します。
採血が終わったら、飼育担当者に止血をお願いして、血液を検査の種類に応じたチューブに分注します。
止血確認をして、採血の間静止できたことをほめて、無事終了。
採れた血液は、日々の健康確認のほか、繁殖に向けてホルモンの数値を測定するために使用しています。
また、一部冷凍しておき、万一感染症が発生した場合のさかのぼり調査に備えています。
土佐