飼育員ブログブログ

2022年6月24日(金)数年ぶりの大繁殖🎶

みなさんは、当園で飼育している唯一の魚類をご存知でしょうか??
それは「イチモンジタナゴ」。

琵琶湖淀川水系、濃尾平野、福井県三方湖、
和歌山県紀ノ川水系に天然分布する
日本の固有種ですが、環境の変化により、
今では絶滅危惧種となっています。

そんな希少な魚が、なんとすぐ近くの
平安神宮の池に生息しているのですっ!
当園と平安神宮は琵琶湖疏水でつながっているので、
ひょっとしたら、かつては園内の噴水池にもいたかもしれません(´ω`*)

…ってなわけで、
当園では、このちょ~っとゆかりのある
イチモンジタナゴの繁殖に取り組んでおり、
将来的には野生への再導入を目指しています!!

さて、その重要な繁殖施設はどこにあるのかというと…
ヤブイヌ舎の裏、遊園地の西側にひっそりとあるんです㊙
みなさんお気づきでしたか??

これがイチモンジタナゴの繫殖用水槽ですっ >゜)))彡✨
デカいですね~(笑)

中はこんな感じ。
選抜された数尾の個体をこの巨大な水槽に入れ、
繁殖に専念できるよう、あまり刺激を与えず飼育しています。

繁殖期は4~6月。
二枚貝に産みつけられた卵は約2日で孵化(ふか)し、
稚魚は3週間ほどで水面近くまで浮上してきます。
大きな水槽からわずか7~8㎜というとてつもなく小さな稚魚を探すため、
担当者は毎朝目を皿のようにして水槽をのぞき込まなければなりません。

我ながら客観的に見るとめちゃ怪しいですね…(;´∀`)
こういう姿を見かけたら
「あ、稚魚探しとんねんな。」
と思ってください(笑)

そして先月末に今年初の稚魚が浮上しました!

これが浮上したての稚魚。
親と同じ水槽のままにしておくと食べられてしまう可能性があるので、
稚魚は捕獲して別水槽へと移します。

こんなに小さな稚魚ですが、
1つのプラスチック水槽に入れるのは10尾程度が限界💧

過密な環境では水質の悪化や餌の食い負けが起こり
稚魚が死んでしまうのです((+_+))
また、感染症や水質悪化によって
1つの水槽の稚魚が全滅する場合もあるので、
危険性を分散させるためにも
小さなプラスチック水槽で
小分けにして飼育する必要があります。

6月に入ってからも稚魚の浮上は順調に続き、
今日までに生まれた稚魚の総数は
ついに100尾となりました!!
当園では数年ぶりの大繁殖です(*^^)v

稚魚水槽、通称『タナゴ保育園』は大賑わい(笑)🎶

全員無事に大きくなってくれることを願うばかりです。

担当:くろ(*´ω`*)