飼育員ブログブログ

2022年6月24日(金)ゴーラルについてのお知らせ

ゴーラルのホンホンについて、お知らせがあります。
4月中旬頃、左下顎が腫れている様子が確認されました。
経過を観察しつつ、獣医師と相談し、今日に至るまで様々な可能性を探りながら、注射や経口での投薬治療などを実施してきましたが、左下顎の腫れは変わりませんでした。
注射や経口投薬による治療の効果が見られないことから、先日、麻酔をかけ、診察を行いました。
また、診察だけでは原因を特定できないことから、腫れている部分を一部採取し、外部の検査機関に検体を送付して病理検査を実施しました。
結果が出るまでにしばらくかかったのですが、手元に結果が届き、「悪性腫瘍」であるということがわかりました。

ホンホンは昔から変わらない偏食ぶりを発揮しながらも、今は自分で好きな餌を食べています。
しかし、この悪性腫瘍が大きくなっていけばいつ食べられなくなってしまうかわからない状態です。また、既に全身に転移している可能性もあります。
この腫瘍ですが、完全に取り除くことが難しいこと、取り除く処置の結果、食べられなくなってしまうことが予想されることから、今後はその都度、状態に合わせた治療を行うことにしました。
ホンホンが辛くない方法を探り、いろいろな案を検討し、その中で最善のことを実施していくつもりです。

先日18歳になり、かなり高齢になってきているとはいえ、突然のお知らせとなり、驚かせてしまった皆様、すみません。

ホンホンは国内唯一のゴーラルでゴーラルという動物がいるということを私たちに教えてくれる貴重な存在です。京都市動物園にぜひ会いに来ていただきたいです。

私にできることは、ホンホンにとって何が最善の策なのかを一生懸命考えることだと思っています。
今後、展示を休止して治療を優先する可能性もありますが、その際はご理解いただきますよう、お願いいたします。
これからも今までと変わらず、ホンホンを温かく見守っていただけると嬉しいです。

ゴーラル担当:櫻井