飼育員ブログブログ
2022年5月11日(水)ヒナのうんちく話
ニホンキジの紅が卵を産みました。
かつて一緒に過ごしたオスの大将は今年の1月に亡くなっているので、卵は無精卵です。
去年は産んでなかったので、もしかしたら紅にとって初めての卵だったかもしれません。
産卵が分かった日は公休日だったので、記念すべき卵を見ることができませんでした。
写真もなく、お伝えできなくて残念です (;_;)
…って残念がっていてもなんですので、卵つながりで、ヒナについて少しお話したいと思います。
キジ類のヒナは生まれるとすぐに歩くことができます。
ふわふわの綿羽も生えていて、目も開いています。
このように、卵の中でじっくり十分に育ってから孵化する性質を、早成性または離巣性と言います。
地上で暮らすことの多い鳥や水鳥に見られ、チドリ類やカモ類も、このタイプになります。
2019年水禽舎でのカルガモの親子です。
ヒナたちは生後1週間しか経っていなくても、歩けたり泳げたりします。
一方、目も開かず、羽も生えていない赤裸な姿で生まれる性質を、晩成性または留巣性と言います。
親の庇護のもとで大きくなり、飛べるようになるまで育ってから巣立ちます。
スズメ目の鳥はすべてこのタイプです。
京都の森エリアにいる鳥では、ハト目、フクロウ目、ハヤブサ目の鳥も晩成性になります。
スズメ目のツバメは、成長の過程がよくわかりますね。
これからの季節はヒナを目にする機会が増えます。
まだ飛べないのに巣から飛び出してくるヒナも、たまにいます。
親鳥がエサを運んで世話をしている場合が多いので、ヒナは決して拾わないでくださいね。
ニホンキジ担当 よしかわ