飼育員ブログブログ

2022年3月11日(金)獣医師だより155 ホンドタヌキの掻痒

ホンドタヌキのミライの両肩付近に、脱毛とかさぶたが見られるようになりました。
検査の結果、寄生虫やカビの可能性は低いと判断しています。
昨年の夏にもみられた症状であることから、換毛に伴う掻痒感から擦ってしまっているのかもしれません。

昨年の夏の時は毛足が短く、ストッキングのような筒状の包帯ですっぽり覆うことができました。
一方冬場は毛が長く、この包帯を使おうとするとなかなか体を通すことができません。
また、前回よりも首の近くに傷があるため、ここまで覆う必要があります。
体に合うサイズのストッキング包帯にすると首回りがぶかぶかになってしまい、ほつれたり絡まったりする可能性がありました。
そこで、今回はくっつく包帯を使って前半身を覆うことにしました。

自己粘着包帯という正式名称のこの包帯。
毛や肌にはくっつかないけれど、包帯同士を重ねて圧力をかけるとしっかり付着する優れもの。
絞めすぎず、かつ余りがないように巻くことができました。

こちらは、古くなった包帯の背側を切って取り外したもの。
まるで服を着せているみたいですが、これも治療の一環です。

土佐