飼育員ブログブログ

2021年11月23日(火)高齢なキョウのためにバリアフリー

ホンドギツネのキョウは7年前に野生個体で怪我をして京都市動物園にやって来ました。
そのため,正確な年齢は不明ですが,保護された時にすでに成獣であったことから,今はもうお爺ちゃんだろうと推定されます。

ヒトと同じように動物も高齢になると腰や膝が痛くなることがあります。
先月下旬キョウが左膝を痛がる素振りを見せたため,レントゲンを撮ったところ,膝周辺に骨のとげ(骨棘)が出来ていました。

そこで,膝への負担を減らすためにグラウンドのバリアフリー化を行いました!
Before
 
横から見ると台と台の間に距離がありました。 


After
昇降の負担を減らすため,台と台の距離を狭くしました。
 

当園にお越しくださったことがある方であれば,見たことがあるかもしれませんが,キョウは石の台で過ごす時間が長く,お気に入りの場所なのだと思います。

膝への負担を考えると段差を無くす方法もありましたが,台に上がれなくなるストレスはキョウにとっては大きいと考え,せめて飛び上がったり飛び降りたりしないように階段とスロープを設置しました!

また階段の途中から飛び降りることも想定し,着地面にクッション材として木質ペレットを敷いています!

 
 

キョウ自身は膝の骨棘が見つかった後も,食欲旺盛で毎日穴を掘り,元気に過ごしてくれていますが,骨棘が無くなることはないので,症状を抑える薬を飲んでもらいながら,今の生活を続けてもらえればと思っています。

小獣舎担当 オリト