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2021年11月12日(金)獣医室だより139 アオバトの左中手骨骨折

先週に引き続き,別の救護アオバトの骨折です。
この個体は左の中手骨を骨折していました。
骨折自体は,鳥では比較的よく見られる斜めの骨折です。
問題は,傷口が開いてから時間が経っており,血が通っていないことでした。
特に骨折部から指先に向かって乾燥壊死しており,治癒は困難だと考えました。

幸い当園ではアオバト舎があり,羽数としても飼育する余裕がありました。
園内での終生飼育を目指し,翼を切断する処置を行うことにします。

鳥類の場合,種にもよりますが,口から麻酔薬を吸わせる「吸入麻酔」という方法単独で十分な麻酔を得ることができます。
鎮痛薬を注射して痛みを抑えつつ,手首の関節から指先を切除し,壊死している部分を完全に取り去りました。
現在傷口の経過を見つつ,園内への移動に向けて準備を行っています。

土佐