飼育員ブログブログ

2021年10月2日(土)大人の階段の~ぼる~♪

もう何回目かの長~い休園期間がようやく終わり,
10月1日より開園しましたぁ (*´▽`*)
みなさま,お変わりありませんか??

アジアゾウたちには大きな変化が…
オスの秋都トンカムが,ついに単独展示になりましたっ!!

今月25日で10歳になる秋都トンカム☆
ラオスから来園した当時はまだ3歳になったばかりでした。

体重620㎏
体高160cm
牙の長さはたった12cm程度
隣に立つ職員と比べると,
その小ささがよくわかりますね(´艸`*)

ラオス組4頭の中では一番年下で体も小さく,
年長の冬美トンクンにくっついて
よく面倒を見てもらっていました。

(奥:冬美トンクン 手前:秋都トンカム)

それが今では…

体重2200kg!
体高226cm!!
牙の長さはなんと53cmに!!!
立派になりましたぁ(´―`)

ゾウは成獣のメスとその子どもたちからなる群れをつくり,
オスは成長すると群れを離れて単独で生活します。
当園のゾウ舎は,そのゾウ本来の生活様式を再現できるように
グラウンドがオス用とメス用に分かれています。

来園当初からしばらくは,秋都トンカムがまだ幼かったため
先住個体の美都(推定50歳メス)をオス用グラウンドで展示し,
その後,5頭で同居できるようになってからは,
オス用・メス用グラウンド間の仕切りをはずし,
グラウンドを一面にして利用してきました。

体が大きくなるにつれ,力も強く,牙も長くなってきた秋都トンカム。
最近では,春美カムパートや夏美ブンニュンとのじゃれ合いも激しさを増し,
お互い擦り傷だらけで帰ってくることが多くなりました。

そろそろ分離の頃合いか…

ということで,大人への階段を一段のぼるべく,
グラウンドの仕切りを再設置して,
9月28日より秋都トンカムを単独展示に切り替えました!!

美都と若いメスゾウ3頭をいつも通りメス用グラウンドへ出し,

最後に秋都トンカムをオス用グラウンドへ…
いつもと違う様子にビビりまくる秋都トンカム💦

すぐには出ていかず,用心深く様子を探ります。
普段は春美カムパートや夏美ブンニュンに対して強気なくせに,
こういう時はちょっとヘタレ。。。
末っ子感が出ます(笑)

初日,冬美トンクン,春美カムパート,夏美ブンニュンは出室後,
姿の見えない秋都トンカムを心配してか,
大声でワーワーを鳴いていましたが,
その声が余計に室内の秋都トンカムの不安をあおっていました(;´∀`)
秋都トンカムがパドックに顔を出し,無事が確認できると
3頭は落ち着きを取り戻し,それぞれ朝ご飯を食べに行きました🍎

ちなみに美都はまるで関心なし(*´з`)~♪

秋都トンカムがいなかろうが,若いメスたちが騒ごうが,
全く意に介さず,黙々といつも通りマイペースに
朝ご飯を味わっていました(笑)

秋都トンカムはというと,
しばらくパドックからオス用グラウンドの様子をうかがったり,
寝室内をウロウロ歩き回ったりしていましたが,
パニックになることもなく,
30分ほどでスーっとオス用グラウンドへ出ていきました。

出室後も問題なく落ち着いている様子。

一安心です(´ω`*)


遊び相手がいなくなって少し寂しげな秋都トンカム(左)ですが,
この展示方法が落ち着けば,
今後は繁殖のため定期的にメスと同居する機会を作っていく予定です。

夕方の収容時も,やはりちょっと慎重。。。

何かあったらすぐに逃げられるよう,
後ろ足を1本外に残したまま寝室の中の様子を探ります(笑)

安全を確認してから入室。
室内に入った後は,スムーズに自分の寝室へ…

夜はまだ,若いメスたちと一緒にメス用の寝室へ収容していますが,
いずれは寝室も,現在美都が使っているオス用の寝室を使うことになります。

秋都トンカム収容後,若いメスたちも収容するのですが,
冬美トンクンは扉が開くや否や,誘導用の餌には目もくれず,
一目散にトンカムのとこへ駆け寄って無事を確かめます。

(左:秋都トンカム 右:冬美トンクン)
なんと健気な(ノД`)・゜・。

小さい頃から秋都トンカムの面倒を見てきた
冬美トンクンの愛情が感じられました。

休園期間中に大きな変化を遂げた当園のゾウたち。
秋都トンカムが群れを抜けたことで,
今後,美都を含むメスたちの方にも
何か変化が起きるかもしれません。
秋都トンカムは少し遠くて見えづらくなってしまいましたが,
これも大人への大事な一歩と思って,温かく見守ってやってください。

担当:くろ(*´ω`*)

※個体の体調・天候等の事情により,
 展示方法は予告なく変更になることがあります