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2021年9月21日(火)動物慰霊祭
緊急事態宣言の延長を受け,9月30日まで休園となりました。そのため,例年,動物愛護週間中に開催している動物慰霊祭を中止とさせていただきました。そこで,今年は職員のみで慰霊式を行いました。
【慰霊の言葉】
京都市動物園が明治36年に開園以来,118年の歴史の中で,天寿を全うした動物,残念ながら病気や事故によって亡くなった動物たちなど,数多くの動物がこの岡崎の地に眠っております。
本日の慰霊式では,昨年9月から本年8月末までに永眠いたしました動物の名簿を萬霊塔に納めまして,彼らの冥福を心からお祈りするものです。
ツシマヤマネコのメスのミヤコは環境省ツシマヤマネコ保護増殖事業のため,平成24年3月31日(土)に九十九島動植物園から展示個体として来園しました。存命中は京都市民への普及啓発に貢献してくれました。 昨年9月に慢性腎不全により,当時,存命の個体としては国内最高齢の18歳4ヶ月で亡くなりました。
平成18年5月に本園で誕生しましたショウガラゴのメスのジョリは,本年7月に循環器不全で亡くなりました。
平成28年2月からは白内障を患い,採食も困難でしたが,飼育員の手厚い管理の元,立派に天寿を全うしてくれました。
平成29年1月に本園で誕生しました,ヨツユビハリネズミのメスのウミは,本年7月に癌の全身転移で亡くなりました。 昨年,アニマル園長に就任しましたが,新型コロナウイルス感染症の影響で熱帯動物館が閉鎖となっていたため,皆さんにはなかなかご覧いただけませんでしたが,立派にその役目を務めてくれました。
また,今月12日には,ギネス世界記録に認定されていたアカゲザルのイソコが,うっ血性心不全で43歳4ヶ月4か月で亡くなっています。アカゲザルという種を知っていただく機会を作るとともに,力強く生き抜いた,その一生は,多くの皆様に共感と感動を与えてくれました。
これらの亡くなりました動物たちは,これからも動物園や動物園で暮らす多くの仲間たちを見守ってくれることと思います。
私ども職員は,本園でその生涯を終え,多くの思い出を残してくれた動物たちに深く思いを抱き忘れることなく,哀悼と感謝の念を新たにするとともに,これまで動物たちが残してくれた経験を活かし,これからも動物園に暮らす動物たちが、健康で幸福に暮らせるよう「いのちをつなぎ,いのちが輝く動物園」を目指していかなければなりません。
今後も市民の皆様に愛され続ける京都市動物園として,しっかり役割を果たしていけるよう,引き続き皆様の御理解と御協力を賜りますよう,よろしくお願いいたします。
園長 坂本
京都市動物園におきまして,令和2年9月1日から令和3年8月31日の間に死亡した動物は,30種類111点に及びます。式終了後,死亡した動物たちを記した名簿を萬霊塔に納めました。
なお,開園後に,萬霊塔前を一部開放し,皆様に動物を偲んでいただける期間を設けたいと思います。
副園長 和田