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2021年8月15日(日)ハヤブサの習性

ハヤブサは肉食の鳥です。
動物園ではエサに,馬肉,鶏頭,ウズラ,マウスを与えています。

どんな肉でもすぐに近寄ってくるのが,オスの業平。
手渡しすると,くちばしでくわえます。

業平くん,肉まっしぐら

メスの小町は警戒心をまったく解かないので,肉をエサ台に置いたぐらいでは食べにきません。
私がケージから出て,去っていく姿を見届けてから食べにきます。

この日は週に1回のマウスデー。
マウスを食べ終えたであろう頃合いを見計らって,片付けに行きました。

切り株にマウスのしっぽがありました。
しっぽは美味しくないのか,ごくたまに残すことがあります。

「こんなとこに残して…」としっぽをつまんでみたら,本体も付いていました。

何事もなかったかのように,そっと元に戻しました。

これはもしかして,貯食?!

ハヤブサは捕ってきたエサを食べずに隠して貯食します。特に繁殖期に見られる行動ですが,業平も小町も今までほとんど完食していたので,貯食を見たことはありませんでした。
エサ台の上に食べ残しているのではなく,別の場所に押し込んで隠していたので,多分,貯食のつもりなのでしょう。
野生下での習性が失われていなかったと思うと,感激です。

小町

やっぱりハヤブサは野性味あふれて,カッコいいーです!

と,話はここで終わる予定でしたが,この原稿に合わせるように,救護センターで保護中のハヤブサも貯食していました (*´▽`*)

鶏頭を隠しているつもり?

救護センターのハヤブサ

このケージには隠せるところが何も無いので,一応,目につきにくい場所として隅っこを選んだのでしょうね。
誰も取らないし,エサをあげる相手もいないのに。

種の保存展示課 よしかわ