飼育員ブログブログ
2021年1月24日(日)獣医室だより097 ゴーラルの削蹄再び
一年前の削蹄以降,毎朝ゴーラル舎の横を通るたびに,ホンホンの蹄が伸びていないか確認していました。
明らかに伸びすぎだと感じたのは夏前後。
すぐに削蹄をすべきなのですが,問題は気温。
夏場に動物を保定しようとすると,走り回り高体温に陥ることがあります。
オーバーヒートとも呼ばれるこの状態,死亡事故に繋がりかねないため絶対に避けなくてはなりません。
というわけで,逸る気持ちを抑えて秋口まで待ちます。
気温変化から,10月初旬には十分気温が下がると判断して日程を調整。
それまでの間,飼育担当者がホンホンを,捕獲用の通路へ馴致しました。
当日,担当者2名が,通路に誘導したホンホンの角を確保。
すぐに,そばに隠れていた他の職員が近寄って横倒しにします。
肢を確保後,獣医師2名が前と後ろに分かれ,同時並行で削蹄しました。
ゴーラルの蹄は柔らかいため,剪定鋏で切っていきます。
全ての蹄を整えた後に,放飼場に移動させてから解放しました。
昨年も行ったことのある治療だったため,最後までスムーズに,事故なく行うことができました。
なお,文頭のリンク先をご覧になった方は,タイトルが「オナガゴーラル」になっていたことに気づかれたかもしれません。
これまでホンホンは「オナガゴーラル」として展示していましたが,遺伝子検査の結果「ゴーラル」であることが判明しました。
このため,この記事ではゴーラルの名称を使用しています。
個体が変わったわけではないので,ご安心ください。
土佐