飼育員ブログブログ

2020年12月28日(月)美味しそう!(12月28日から1月1日まで休園です)

 動物園では餌として牧草を使用していますが,12月~5月頃までの品種は「イタリアンライグラス」になります。
 イタリアンライグラスはイネ科牧草で,世界的に需要が多い冬作飼料です。本園では,いろいろな動物で月に約4000~5000kg程を与えていますが,この時期の生の牧草(青草と呼んでいます)は瑞々しく,多くの動物たちがとっても美味しそうに食べています。

 なお,本園で青草を多く与えるようになったのは1984年頃からで,それまでの乾草中心の餌から,青草に変えたことで動物たちの体調が良くなったと聞いています。ただし,硝酸態窒素を蓄積しやすい草種でもあるので,特に反芻動物では硝酸塩中毒に気を付けておく必要があります。

 ちなみに和名は「ネズミムギ」で,雑草として各地でよく見られるものの一つなのですが,もとはヨーロッパ原産で,明治時代に飼料作物として導入されて広がった帰化植物です。そのため,外来生物法で要注意外来生物にも指定されています。

 1987年生まれのツグミは,子どもの頃から青草をもらえてたってことになります。 
 副園長 和田