飼育員ブログブログ
2020年12月27日(日)獣医室だより093 アカハライモリの肢の再生
群れ飼育には,メリットとデメリットがあります。
メリットとしては,出産や産卵を期待できること。
本来群れで生活している生き物にとっては,より自然な行動を引き出せる点も挙げられます。
一方デメリットとして,他の個体との接触で怪我をする可能性があります。
当園のアカハライモリ水槽では,弱い個体が噛まれることがあります。
発生頻度は1年に1回あるかどうか。
喧嘩しているのかもしれませんし,手を餌と間違えたのかもしれません。
噛まれた部分は治癒することもありますし,壊死することもあります。
写真は9月末に右腕を噛まれた個体。
力が入らないようで,殆ど動かしていませんでした。
傷口の感染を防ぐため,個別飼育して薬浴させます。
残念ながら腕の壊死が進んだため,最終的に肩関節から先を切除しました。
切除後2箇月経過した様子がこちら。
右腕のあった部分に小さな手が出てきているのがお判りでしょうか。
このあと段々と大きくなり,腕として完全に再生,普通に動かせるようになります。
両生類の再生能力には,いつも驚かされています。
土佐